────これは夢だ、きっとこれは夢なんだと夢の中
「これは夢だ」と声に出してる夢の中
夢の中だとわかればなんだか気楽、どんなことでも出来るよう
どんなことでも伝えることが出来るよう
失敗しても大丈夫
だってこれは夢だから
目を覚ませばほら、どんなことでもいつもどおりさっきのように
フキの葉っぱがうるさくて
このところ動物園は緑があふれるあふれてる
地面はフキで埋もれてる
なのにどうだ、そのはずなのに
「これは夢だ」と声に出す
ああ、夢だったのかと目を覚ます日と、夢の中で夢だとわかるこんな日と
────願いは夢に、思いは夢に
現実ばかりが夢の素材だってわけじゃない
ここで二回目の季節が始まる僕なのさ
また来年も一緒にさ
また来年も桜を見よう
「これは夢だ」と声に出してる夢の中
夢の中だとわかればなんだか気楽、どんなことでも出来るよう
どんなことでも伝えることが出来るよう
目が覚める前に伝えたよ
「また来年も────」ってね
こくりと頷く夢の中のモモコさん
その微笑みで今日は目が覚めたのさ
そういうことさ
フキの緑の中でただ
モモコさん眺めている夢から覚めて
僕はただ────