今日は雨降り、強く弱く一日中
外へ出てみていつものように
ユーカリ登っていつもどおり
もちろん身体は濡れていく
大丈夫だよ
雨が降る日さ、濡れるのなんて当たり前
晴れた日には陽が当たるのさ、それと一緒
服が濡れて困ったり
髪の毛ばかり気にしたり
僕からしたらお客さんたちのほうがよっぽど大変
不自由さ
登りたい木に登りたい高さまで
雨に濡れる陽に当たる
気持ちがいい風吹かれて揺れて
僕はそっと過ごすのさ、どこかで暮らす仲間のように一人ここでコアラをするのさ
大切なユーカリの木達と一緒
幸せ者なのさ
天王寺動物園で暮らすコアラ、アーク
朝から雨降る春の終わり
いつものように外へ出て、この木でいいかと登りふと立ち止まる
過ごし慣れた小さな森の、雨に香るユーカリの木
アークの選択、迷わず登る
登ればはっきり見える姿はいつものアーク
そう、雨を気にしているのは人ばかり
今日は雨降り、低い空
ユーカリの木まで空を突き抜けそう
力を込めて上に上に
雨に濡れだし、風に揺れだし
ただそれほど暑くない日と感じだし
どんなに強い雨だとしても、自然の音ならそれはただのその日のもので
ぽつぽつぽつぽつ
ただ繰り返し聞こえ続ける雨の音
どんなにうるさく降ったとしても気にならない自然の音色
また登って眺めた景色
雨続く
ときにザーザー
雨強く
コアラの普通、動物達の当たり前
当たり前を見せてくれる本当のコアラ
低い空には手も届きそう
アークの背中に雨落ちる
地面に当たる雨音消えて、ユーカリの葉に当たる音だけ聞こえて静かな樹上
今日の雨が根から幹、枝の先
────晴れた日にはまたユーカリの葉が茂る
今日は雨降り、強く弱く一日中
外へ出てみていつものように
ユーカリ登っていつもどおり
もちろん身体は濡れていく
「雨に濡れてかわいそう────」
大丈夫だよ
雨が降る日さ、濡れるのなんて当たり前
晴れた日には陽が当たるのさ、それと一緒
傘をさしたり、合羽を着たり
服が濡れて困ったり
髪の毛ばかり気にしたり
僕からしたらお客さんたちのほうがよっぽど大変
不自由さ
今日はただの雨降り、明日はきっとただの晴れた日雨上がり
コアラを探すお客さん、みんなお天気気にするお客さんアークはそれ見てくすりと微笑む
────僕はここだよそうつぶやいて優しく微笑む人は森を見上げない雨の日ならそれはなおさら
上を向けば雨が顔に当たるからそして立ち去る、足早にそれは雨に濡れるから静かな静かな雨の日に、いつもと同じ動物時間のんびりのんびり、濡れてのんびり戻りたければ戻るだけ木の上で風に吹かれたいなら、ただ揺れていたいならこのまま濡れて過ごすだけ身体は濡れても大丈夫ぶるっとすればあらかた乾く今日は雨降り、強く弱く一日中 外へ出てみていつものように ユーカリ登っていつもどおり もちろん身体は濡れていく「雨に濡れてかわいそう────」
大丈夫だよ
雨が降る日さ、濡れるのなんて当たり前
晴れた日には陽が当たるのさ、それと一緒
傘をさしたり、合羽を着たり
服が濡れて困ったり
髪の毛ばかり気にしたり
僕からしたらお客さんたちのほうがよっぽど大変
不自由さ
外へ出たいから外へ出て
登りたい木に登りたい高さまで
雨に濡れる陽に当たる
気持ちがいい風吹かれて揺れて
僕はそっと過ごすのさ、どこかで暮らす仲間のように一人ここでコアラをするのさ
大切なユーカリの木達と一緒
幸せ者なのさ
コアラは雨の日何してる
動物時間は雨音リズム
どんなに強く降り出したとしても、それは自然の音だから
昼間が長い時期だけど、雲の厚さにかなわない
青い空と強めの陽射し
風はどうか、木に登らなければわからない