ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、タニ
季節は急に動き出して、風景色々変わりだす
季節のささやき、耳を澄ませば聞こえてくるよう
それとも日が傾くまでただゆっくりと進んでいく日
夏の声に夏の顔
夢の世界は一足早くセミの声
地球の公転、止まらない
四季の巡りも止まらない
なぜだか自分もそのリズム、刻む季節に合わせて乗って
流れる時間は止まらない
夏を待ってる地球のどこか
どこかでみんなが次の季節を待っている
時間の流れ、季節の巡り
誰かだけ、どこかだけ
止めることは、進めることは出来なくて
春が来て春は目の前通り抜け
いつしか背中をただ眺め
今年の春を見送る時が来る
これからどんどん暑くなる
陽射しは夏を先回り
────これからどんどん暑くなる
────これからどんどん暑くなる
過ごしやすい場所、冬から変わって今度は日陰
今度は庭に陽除けのタープ
美味しさと柔らかさ
陽除けに大きな扇風機
その他色々、飼育係さんの夏の準備
庭の地面、見上げたどこか
雨が降るたび、陽が当たるたびにスピード上げて
増える緑、風になびき大きく小さく揺れて時間の流れを見せていくように
今日はどんな日、何かがある日
それとも日が傾くまでただゆっくりと進んでいく日
タニの耳にも賑やかな笑い声
閉園近くのときにまた
ふわりふわりと光の中で
起きているのに夢の中
小さなお花を見つけて思う
お昼を過ぎて、動物園は春の喧騒
雨の季節に雨の音
過ぎて今度はセミの声
自然の音に虫の声
慣れてその時、どこか静かに感じるよう
今日もガイドの時間になって
上まで、いつものテラスまで
そう、みんなどこか浮かれてる
色々食べてみんなも笑顔
タニ、今日はいつもよりももっと楽しく過ごして
すると夕方近く、傾き出した陽の光
閉園時間も明るいままの動物園
明るければ小さい葉っぱもよく見える
これからしばらく食べてく柳
傍にある季節
もう少し、もう少しで聞こえてくるよう
季節のささやき、もう少しで聞こえてくるよう
影がそっと庭に馴染み消えていく
地面に影、もう見当たらない
最後にさよなら、今日は一度さようなら
太陽、明るいその光
青い空と一緒にここで、こんにちは
暑くなるその前に
どれだけ春の青空に
今日は一度さようなら
飼育係さんが迎えに来た
────どんな顔