春も当たり前になった頃のこと
桜が半分、それ以上に散った頃
誰もが同じ時間の中での四つの季節
眩しさ避ける木の幹の陰
ポッケから出始めた、まだ小さな子どもと一緒
他の子達と離れ、静かに親子
身体に優しく暖かく
ポッケの中へ春よりもっと温かい春も当たり前になった頃のこと
桜が半分、それ以上に散った頃
今日はゆっくり、のんびり動物時間
春が進む時間の流れ
今はわがまま、引き止めたくて
ロミはそっと頭をぺろり
この日は春も当たり前になった頃のこと
桜が半分、それ以上に散った頃
華奢な身体をそっと撫で
一生懸命戻ればこうして大丈夫
逞しく生きるもの
春も当たり前になった頃のこと
桜が半分、それ以上に散った頃
お母さんの顔も外からだったらちゃんと見える
ポッケから見上げた桜、目の前静かに散っていった桜
大きくなった身体で、四季を隔てて見る桜
それはどういうふうに映るだろう
同じ春風、そっと桜を散らすかな
それは夏への準備を急かすよう
どうなっているんだろう
そう変わらないけど少し早いか遅いのか
季節はそんな繰り返し
去年はそうだ、今年はこうだ
ただ一、ちゃんと残る覚えてる
ポッケの記憶は消えてかない
春も当たり前になった頃のこと
桜が半分、それ以上に散った頃
ポッケの中から世界を眺めだした頃