ズーラシアで暮らすモウコノロバ、ミンミン
そんなミンミン
の、はず、なんだけど一時期見向きもしてくれなかったミンミン
でもここ数回、またそっと傍に
夏だったから、秋が来たから
嫌だったから、寂しいからか
本当のこと、誰もわからない
ミンミン一人そっと木漏れ日の中
道草なのかなんなのか
心通じて大丈夫、嬉しくてまた声に
「やぁ」
柵の向こう側とこちら側
柵にお鼻を押し当てて、ちょっとしわしわ
秋の風は一緒に運んで虫の声
セミとは違うどこか優しい声の秋の虫
でもそれはきっと────
今までどおり、いつもどおり
それがいい
人の傍へそっと寄る
セミの声はもう聞こえてこない
静かな静かな動物園
鼻膨らんでみんな楽しい
身を乗り出して鼻膨らんで
ちょっと楽しい、とても嬉しい
秋の日々とミンミン笑顔
寂しいときは誰かの傍に
寂しさ、秋の風といっしょに
寂しいときは誰かの、誰かの傍に
ミンミン、今日も誰かの傍へ
ミンミン、自由に歩いていこう
ミンミン、疲れたのなら休んでみよう
その時、ミンミン
顔の周りにハチが来た「よしてよ」、って首振ったよしてよ、よしてよきっとそのまま、
夏だったから、秋が来たから嫌だったから、寂しいからか
本当のこと、誰もわからない木漏れ日の中、面倒なことはどうにもこうにも面倒で
人の傍も億劫にきっとまたまたきっと木漏れ日の中へと歩く、閉園前の秋が来たからって変わらないこと、少しかわっていったこと色々なことがまた起こる
今は色々なことを変えずにお散歩、庭を歩いていくよミンミンただただ、どこかへ歩いて出かけてみよう
枝揺れたときだけ照らすよ、それはスポットライト遊園地は閉園時間待っている、そっとそっと待っている少しお腹が空いたから