雨が降る日はガラスが濡れて、僕らの姿が映らない
雨が降る日は覆い尽くす厚い雲、あの星空も見えやしない
雨が悪いわけじゃない
────ただ見たいものが見えにくくなるだけだ
お客さんもほとんどいない
聞こえてくるのは遠くを走る車の音だけ
今日はフクもみんなも静かなものだ
どんな日でも出来ることなら外へ出るんだ
本当に暑くなったら自由にできなくなるからね
夏はもう僕らのところへ、ついこの前まで春だと思っていたはずなのに
時間なんて、月日なんてすぐに過ぎてく
この長い雨もそのうちじきに止むことだろう
庭の野草は後で少し食べに行く
この時期、どんどん伸びてくるからね
寒い冬との違いの一つ、っていうものだ
時々ざーざー
僕らを濡らす、僕らはたまらず雨宿り
薄暗い空の下、聞こえてくるのは誰の声
探しているのはあの日の思い出
緑の葉っぱに雨降り続き、もっと繁っていくように
地面に染みて根から吸い上げ、幹から枝へ、枝から葉っぱへ水の流れ
木は未来へと生きていくように
あの黄色い秋へと進むように
射し込み照りつけ輝く太陽、葉に当たり
いつか黄色く染めるよう、世界を黄色く変えるよう
今は葉に、光の力を溜めるよう
広がる波紋、音立てず
まだまだ雨は降るよと僕らに伝える
雨が降る日、一日静かに降り続ける日
心落ち着き、色々なこと考えていく日
ガラスに映った僕の顔に涙がたくさん溢れていた日
雨で映りやしないのに、思い出してガラスの中にあの日を探している日
囲むようにサツキとさくら
────そうさ、あの日僕らは一枚のガラスにみんなで映ったウォンバット
それは一枚の家族写真のようだったのさ────
雨が降る日はガラスが濡れて、僕らの姿が映らない
雨が降る日は覆い尽くす厚い雲、あの星空も見えやしない
雨が悪いわけじゃない
────ただ見たいものが見えにくくなるだけだ
雨の日、静かな動物園
お客さんもほとんどいない
聞こえてくるのは遠くを走る車の音だけ
今日はフクもみんなも静かなものだ
雨に濡れて僕は外へ
どんな日でも出来ることなら外へ出るんだ
本当に暑くなったら自由にできなくなるからね
夏はもう僕らのところへ、ついこの前まで春だと思っていたはずなのに
時間なんて、月日なんてすぐに過ぎてく
この長い雨もそのうちじきに止むことだろう
舞い落ちていた黄色いイチョウ
またここは黄色く輝くあの世界
ワンダーさんが好きだと言ったあの黄色い輝く動物園さ
秋の準備は順調かい?
そっと見上げたイチョウの木
緑の葉っぱに雨降り続き、もっと繁っていくように
地面に染みて根から吸い上げ、幹から枝へ、枝から葉っぱへ水の流れ
木は未来へと生きていくように
あの黄色い秋へと進むように
濡れるネジバナ、雨粒染み込む夏の庭
薄暗い空の下、聞こえてくるのは誰の声
探しているのはあの日の思い出
そのうちきっと雨は止み、雲は切れて広がる隙間
射し込み照りつけ輝く太陽、葉に当たり
いつか黄色く染めるよう、世界を黄色く変えるよう
暗くなった空をふと眺めてみれば今日も輝き賑やか、夜空の星と季節の星座
変わらないのは北極星
タスマニアからは見えない星が変わらないだなんて、なんだかちょっと不思議だね
僕はそっと話しかけ、星はちかちか瞬いて
今は離れていたって大丈夫って何度も何度も頷く僕さ
僕は夜空に飛び込んで、あの星の川を飛び越えてワンダーさんに会うこと出来る
────ワンダーさんと話が出来る
このままだったら星は見えない
やっぱりお願い、雨止んではくれないか
雲に隙間、青空、星空そこから僕に見せてくれないか
僕の気持ち、そんな気持ちがわかるだろ
わかってくれるだろ────
夜が来るまでまだ時間はあるのさ
この雨、きっと止むことだろう
星、きっといくつか輝くだろう
僕はそんな毎日のことが大好きさ
雨の日、静かな動物園
お客さんもほとんどいない
聞こえてくるのは遠くを走る車の音だけ
今日はフクもみんなも静かなものだ
雨の日、静かな動物園
お客さんもほとんどいない
聞こえてくるのは遠くを走る車の音だけ
今日はみんな身体を休めて静かにしているものなのさ
あの黄色い秋へと一歩一歩
季節の色に僕らは埋もれて、動物園で暮らしてる
あなたはどんな色に染まっているのかい
どんな世界が広がって、心に何色、滲んでいるのかい
少し濡れてしまうかもしれないけれど、きっといいものだって思ってくれるはずさ
普段とは違う時間が進んでいくのさ
きっとそう
多分そう
その違い、それわかってくれるだろ
夏はもう僕らのところへ、ついこの前まで春だと思っていたはずなのに
時間なんて、月日なんてすぐに過ぎてく
この長い雨もそのうちじきに止むことだろう
そっと見上げたイチョウの木
緑の葉っぱに雨降り続き、もっと繁っていくように
地面に染みて根から吸い上げ、幹から枝へ、枝から葉っぱへ水の流れ
木は未来へと生きていくように
あの黄色い秋へと進むように
そのうちきっと雨は止み、雲は切れて広がる隙間
射し込み照りつけ輝く太陽、葉に当たり
いつか黄色く染めるよう、世界を黄色く変えるよう
濡れるネジバナ、雨粒染み込む夏の庭
薄暗い空の下、聞こえてくるのは誰の声
探しているのはあの日の思い出