ヒロキは 1987年3月12日に 金沢動物園のオセアニア区の開園の時にやってきました。推定1歳半のヒロキ、体重は7kg でした。オーストラリアの保護区で、おかあさんとはぐれてしまい1頭でいたところを保護されて、メルボルン動物園で人工哺育で育った個体です。そのため詳しいお誕生日はわかっていません。推定で、1985年10月ということになっています。人工哺育で育ったために、小さかった頃のヒロキはとても人慣れしていたウォンバットだったそうです。ヒロキはスーティちゃんと一緒に横浜へやってきました。スーティはヒロキより小さな5kgの1歳の女の子。来日したときから2頭で生活をしており、きょうだいのようにじゃれあいながら飼育員のあとをくっついて歩く、人なつこいウォンバットでした。しかし大人になるにつれて自己主張がはげしくなって、飼育員さんとたたかうようになります。それはなぜかというと、おうちに帰りたくないから。10代後半から20代前半ころは、盾をもった男性の飼育員さんと押しあいながらおうちへ帰っていたヒロキ。そんな様子でヒロキは取材を受けたこともあったようです。ヒロキは現在29歳。体重は33kg。日本のウォンバットの中でいちばんの長生きです。(動物園での)平均寿命は20--25歳なので、とうにその年をこえて生きています。お誕生日が定かでないので何ともいえませんが、もしかすると世界でいちばん長生きなウォンバットかもしれません。最近のヒロキは生活のリズムも調子がよく、たいていは16:00--17:30 にはひとりで帰ってきますが、たまに帰ってこない時もあります。ただ昔のようにたたかいながら帰宅することはしません。好きなごはんを見せながら、ヒロキが帰りたくなりまで、ひたすら待ち続けます。ヒロキは30 -- 50cmほどの深さになる穴を掘ります。これがヒロキのストレスの解消方法。それを飼育員さんがうめもどす毎日です。
飼育員さんのおはなしが終わり、たくさんのお客さんたちも他の動物たちに会いに出かけていった様子。普段の静かなヒロキのお庭に戻りました。
お写真を拝見してるだけで、ワタシの目まで
ヒロキさんのようにトロ~ンととろけちゃいそう(^。^)
ウォンバットのかわいらしさに気づいていただけてとても嬉しいです。
本当は実物に会っていただけたら、さらにさらにヒロキの持つ独特の空気を感じていただけると思います。
もうそれは何年ヒロキの元に通い続けても、飽きることなく
優しい気持ちにさせてくれます。
他のどうぶつでも同じような気持ちにはなるのですが、ヒロキの包容力は特別な気がします。
本当に不思議な彼です。