そろそろおなかも本格的に空いてきたころかな。ゴロさんの時間割、16時頃がごはんの時間です。
フェンスの向こうのしゅっしゅとした草。手を伸ばして届くところは、すっかりゴロさんがおやつとして食べたみたい。
ごはんまで、あと1時間。お部屋の干し草をしょぼしょぼ食べてみたり。
飼育員さんはまだかしら。
おなかが空いているときはじっとしていたらいいのかもしれないけれど
やっぱりウロウロしちゃうね、どうしてだろうね。
ゴロさんの鼻おしつけ。ぎゅーっとぎゅーっ、ウォンバットの鼻おしつけは、とても楽しそう。
鼻おしつけのおまじないがきいたのか、あっという間に時計の針が進んだみたい。飼育員さんがやってきました。
おいしいおいもやにんじんも持ってきてくれたのに、まずは干し草から食べるゴロさん。
小さな手をさっささっさと動かす様子が、とってもかわいいのです。
と、思ったらお口でもぐもぐ。
干し草の次は、おいもで
また干し草。干し草が白いごはんで、おいもがおかず。バランスよく食べるけれど、ちょっとせわしなく見えるゴロさんのごはん。
「ゆうごはんが、ぼくの夜のはじまりなんだ」
「今夜はどんなことが起きてくれるんだろう。春の夜は気持ちがいいから、ついつい遊び過ぎちゃうんだよ」
ゴロさんはお庭に出てきます。お皿の中にはおいもがいっぱいで、まだまだごちそうさまはいえそうにありません。
「お部屋にはたくさんのおいもとふかふかの干し草のベッドが待ってる、それはとても幸せなことだよ」
お部屋のごはんは、夜のためのごちそう。お庭の草は暗闇の夜には、なかなか見つけられないものね。
ゴロさんはおとなりを眺めます。たくさんの草がいっぱいのお庭、それは大好きだった仲間たちが暮らしたお庭です。
「そろそろシマオさんたちが、園内をお散歩を始めるころなんだ。今夜はどんな話をしようかな」
ゴロさんの夜、どうぶつたちの夜。楽しい夢をたくさん見るために。たくさん食べて、たくさん遊んで。
月のあかりがみんなを見守る星がいっぱいの空の下で。
知りたくても知ることのできない、ゴロさんたちの秘密の夜です。