少し暑かったけれど、風が吹くと気持ちがいい午後でした。
ヒロキ! 久しぶりだね。
こつん、こつん。ヒロキは小さな枝ではみがき中。
丸太をそっとつかんでる小さな手。私の大好きな手です。
「あ、こんにちは。ずいぶんと会ってなかったような気がするね。久しぶり」
「葉っぱがいっぱいのぼくのお庭を見てくれた?
あっという間にお花の季節は終わったけれど、あの暑い夏の前にこんな素敵な季節があったんだよね。
毎年のことなのに、忘れちゃうんだ」
「それに、ほら、飼育係のお姉さんが、お水を置いてくれた」
「こういうのってほんとうにうれしい。
大好きなお姉さんのためにも、ぼくはがんばるよ。
「それに、よくわからないけど、みんなに楽しんでもらいたいんだ。
僕が嬉しい顔をすると、みんなも、あなたも笑ってくれる。それがぼくはいいんだ」
ヒロキ、本当に幸せだね。こんなに葉っぱに囲まれて。
「みどりって、ぼくの毛色にぴったりのいろだと思うんだ。あなたもそう思うでしょ。
だから大好きなんだ」
「それに、何といってもおなかがすいたら食べられる!!」
「葉っぱ、ばんざーい」
みんなもとっても楽しそうだよ。
子供たちも、おばあちゃんたちも、みんな笑ってる。
ヒロキ、今日も素敵なおしごとありがとう。
ひとしきり、お庭の散策が終わったあとです。
どうも、ちらちらと見るヒロキ。
いつものお部屋前のウォーキングの途中、どうもちらちらと。
ぶつぶつ、声が聞こえてきます。
「どうしようかなぁ、あんまり太るとお姉さんがかなしい顔をしそうだけど……」
あ、ヒロキ? いきなりのびたヒロキ。こんなヒロキを見たのは初めてです。
あ、でも鼻につかえちゃったね。
「もうちょっとだけ、体が長ければなあ」
大きいため息がきこえてきそう……
「案外、ぼくはしぶとい。特に葉っぱについてはね」
もうちょっとだけ、ヒロキの葉っぱへの挑戦は続きます。
かわいいなあ うっとりと見せていただいてます。
ヒロキに会えた人はみんな幸せそうですね。そして やさしい気持ちになれる不思議なウォンバットですねえ。 寝ていてやる気ないぞ!と不満を言っていた人も ほんの少しヒロキが動いただけで、(指がぴくっとしただけでも)なんだか 感激して、眠いのに根性あるなあ! なんて言ってます。顔を見せてくれたりしたら いい子だ~~ 来てよかった~~~ なんて幸せ全開です。
ほんとに ありがたい!?ヒロキです。
勤め先の書店で”みんなのかお”の本に毎日あいさつをしています。
こんなにかわいい ウォンバット 日本に来てほしいなあ 難しいことらしいのですが。
何だかわからないけれど、見ているみんなをうれしくさせるヒロキ。
本当にヒロキってなんだろう? って思います。
前に、ヒロキを見ていた小学生の女の子が、「動物って何なの?」って絶句していました。
なかなか奥の深い言葉だと思いつつも、とってもシンプルな疑問ですよね。答えはまったくわかりません。
みんなで、本当に愛してかわいがります、こんなに小さな国ではありますが、ウォンバットを送ってくださいって、いつもお願いしているのですがねぇ……神様にですが……。
私は「みんなのかお」が置かれてる書店には、まだ一度もお目にかかったことがありません。こまちさん、素敵なところにおつとめですね。
でも、私も近所の本屋さんでいつもあいさつしてしまう、くまの絵本が……あるんですよねぇ……。