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ジャンブイ、もう冬だ
ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
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立冬過ぎて今年ももう冬の気配
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秋は短く何も言わずにさよなら準備
ホッキョクグマの大好きな季節来た
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のんびり散歩
ごきげん体操
いつものジャンブイ
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ぱらぱらしていた評判の悪い雨
だんだんと上がり気味
雨雲越しに光ぼんやり
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ジャンブイはごきげんなまま


いつの間にかに魚を投げられ、またごきげん
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魚、魚
齧るよ魚
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ごきげんに
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朝も夜もなんだか寒い
「もう冬だ」
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水が冷たい
「もう冬だ」
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風の音に風の向き
「もう冬だ」
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冬、冬、冬
もう冬
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冬、冬、冬
もう冬だ
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冬の装い
先取りあなたにウインクだ
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秋は短く何も言わずにさよなら準備
ホッキョクグマの大好きな季節来た
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のんびりしながら一人笑顔こぼれて
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「今年はまた雪降るのかな────」
だなんて空見て思う
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おやつの魚
早めに終わり
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後は空
見上げにいくだけ
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チロちゃんの面影
雲の柔らかさの中にジャンブイ一人想うだけ
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遠足の喧騒過ぎて今
静けさの中に溶け込んでいくだけ
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水に風に冬
感じて想うだけ






by bon_soir | 2017-11-10 11:40 | ズーラシア | Comments(0)
ジャンブイ、秋の雨の日
ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
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秋晴れ遠く、続く雨の日曇りの日
静かな日が多いこと、それだけがましなこと
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見つめるプールの水面には雨粒作る輪っかが一つ二つ、十個百個と数えきれない
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見上げる空に青い色はどこにもない
綺麗な灰色、曇り空
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ときおり聞こえる賑やかな声もすぐにどこか遠くなり
小さな小さな雨音ばかりの静かな静かな動物園
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雨の日、朝の居眠りする日しない日
今日はしない日
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ただ一人
どこかを見つめて何かを探し
ただ一人
そっと何かを考える
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水面、雨の輪っかは増えたり減ったり
大きくなったり小さくなったり
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秋の風はこれじゃないよと、いささか不安
いつになれば青空続く
いつになれば赤とんぼ大勢、その青空舞い始める
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草はすっかり秋なのに
気持ちもすでに秋なのに
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いつもの岩場
ぐるぐるぐるり
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少しでも高く
少しでも空に近く
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少しでも側へ
どこか吹く、秋風探して空の側へ
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「おかしな秋だね」
ジャンブイ、一言呟き心ふらふら
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落ち着かないでまた降りる
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落ち着かないけど焦りもしないでゆっくりゆっくりまた降りる
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ゆっくりゆっくり
ゆっくり降りて
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ゆっくりゆっくり
ゆっくり降りて眺めたプール
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ゆっくりゆっくり
ゆっくり飛び込む
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そんなジャンブイ
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曇り空から届く光はぼんやりとした弱い光
物の輪郭、影も曖昧
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いつしか雨は次の雨との合間
何もかもが曖昧に進む今日は時間までもがゆっくりゆっくり
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ふわふわふわりと通り抜け
静かに静かに
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ぷかぷかぷかりと漂いながら
春の日ツヨシの言葉を思い出す
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青空見えないこんな夜は、きっと星も見ること出来ないそんな夜
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冬の星座広がりみんなを包むはずなのに
月は明るいはずなのに
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ぼんやりばかりはしていられない
時間は大切、増えることは無い
何かを求めて探して、何かを想い考え灯りを灯す
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「辛い夏が過ぎればいい────ただそれだけだって思ってた僕じゃないか」
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「何もかも思い通り────そんなことあるわけないのさ。わがまま贅沢言っては駄目だ」
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「ましてやお天気になんて、ね」
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「今ある秋、今ある綺麗な物かわいい物でも探しに行こう」
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「傍に必ずあるはずさ」
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「もう何年も暮した家と過ごした庭さ。僕は色々なことを知っている」
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派手な“ぶた草”
秋の色
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短いけれど秋の草
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揺れるススキに秋を感じて
弱い雨をおでこに受けた
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秋雨、秋の雨
みんなみんな季節の一つ
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弱い光
空の近くで
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弱い風
下より上で
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感じるためにはただぼんやりなんてしてられない
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ひとしきり
今すること出来ること
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ひとしきり
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そっとゆっくり
ただただ出来るひとしきり
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静かな雨の日、秋の雨の日
みんな静かに
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静かに静かに
そっと一人
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なるべく静かなあの場所で
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静かに静かに
そっと一人
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冷たい雨を我慢して
そっと一人
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ジャンブイ一人
静かな庭でそっと一人な秋の朝
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by bon_soir | 2017-10-19 15:48 | ズーラシア | Comments(0)
ジャンブイ

ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
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ツヨシがしばらく奥で過ごせば、ジャンブイしばらくずっと庭
疲れてしまわないように、秋が来て涼しくなってものんびりのんびり
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お気に入りの場所でうつらうつら
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少しゆっくりだけどいつものジャンブイ
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涼しい風
夏は遥か彼方
大好きな冬を迎えに出かける夢の中
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ジャンブイ
今までの時間にそっと待つ
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時間が来たのかまだなのか
待っている人まだ来ない
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待ちぼうけ
それは無いよと自分で思い言い聞かせ
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そっと静かに待っている
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待ちぼうけ
それは無いよと自分で思い言い聞かせ
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そっと静かに時間まかせ風まかせ
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あくびばかり
気持ちがいい風、眠くなる
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苦手な夏は秋の風が追いやった
大好きな冬は秋の風が連れてくる
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すぐに冬だよ
またすぐに、すぐに冬だよ
寒くなるよ
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すぐに冬だよ
またすぐに、すぐに冬だよ
星空綺麗に透き通っていくよ
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飼育係さんはまだ来ない
でも待つのは苦痛ってわけじゃない
今少し退屈、ただそれだけで
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飼育係さんはまだ来ない
でも待つのは苦痛ってわけじゃない
きっとそのうち来てくれる
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待ちぼうけ
それは無いよと自分で思い言い聞かせ
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待ちぼうけ
それは無いよ
待ちぼうけ
それは無いよ
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そう、わかってる
そう、信じてる
そう、いつの頃からか繋がっている
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まだかなまだかな
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慌てなくてもいいんだ
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まだかなまだかな
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僕の所へ来てくれるだけでいいんだ
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会いに来てくれる
それだけでいいんだ
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ツヨシの様子をそっと見て
聞こえた声にそっと微笑む
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アジ、飛び込んだ
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アジ、また飛び込んだ
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優しい声と一緒に飛び込んだ
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アジ、飛び込んだ
アジまた飛び込んだ
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少しずつ前
少しずつ前に、アジ飛び込んだ
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秋になればもう水少し冷たくて
風といっしょに冬の日々を思い出させる
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季節の巡り
ここで何度目、何周目
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季節の巡り
ここで何度目、何周目
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今年の秋はどんな秋
今年の冬はどんな冬
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大切な大切な
毎年どれも大切な
大切な春夏秋冬、みんなもそう
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誰にとっても大切な
一日、一月、一年、十年
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今年の秋はどんな秋
今年の冬はどんな冬
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その先あるのはどんな春
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どんな春

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ゆっくりゆっくり
どんなことでもゆっくりゆっくり
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リンゴの赤はまだ染まりきらず
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まだ秋だって教えてくれる
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ゆっくりゆっくり
近づくジャンブイ
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ゆっくりゆっくり
近づいてくる次の季節
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ツヨシの傍で、飼育係さんの傍で
みんなの傍で
流れていく、動物時間
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ゆっくりとした動物時間の中に今
みんないる
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人時間に合わせてしまえば何も見えないわからない
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動物達の温かさ
きっと何もわからない
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ジャンブイ一人秋を過ごす
傍にはツヨシと飼育係さん
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会いに来るのは誰だろう
動物時間にそっと入るの誰だろう
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by bon_soir | 2017-10-07 15:10 | ズーラシア | Comments(0)
ツヨシと一緒

ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ツヨシ
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今日からしばらく外で会えない
そんなツヨシの少し前の日
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お昼前
覗いて休んで
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どこで寝転んだのかけっこう茶色
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なんだか少しまったりと
もうそれなり涼しいけれどゆっくりゆっくり
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しばしのお昼寝
短い短い夢の中
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いつもよりも少し遅かったおやつの時間
ゆっくりツヨシもこの時はいつものツヨシ
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そっと待つ
おやつをそっと、そっと待つ
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まだかなまだかな
風に乗って美味しい匂いが鼻をくすぐる
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まだかなまだかな
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まだかなまだかな
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向こうの方────
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あの辺り
この辺り
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きっとこの辺り────
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見つからないねとそんな時
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ツヨシの目の前
小さな水しぶき
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小さな魚
いつものアジのよう
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やっぱり少しゆっくりツヨシ
側へ投げてもらってのんびりおやつ
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何度か、何度も
のんびりおやつ
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美味しいね!
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ツヨシの秋は静かに暮らす秋
冬が来る前に一人静かに
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またこんなツヨシに会えるのはいつになるのか
もしかしたら奇跡と一緒に会えるのか
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のんびり待つのはお客さん
静かな秋をツヨシと一緒に過ごせばまた会える
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次はいつ、いつツヨシに会えるのか
まだまだそれはわからない
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どんなツヨシに会えるのか
まだまだそれはわからない
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大好きリンゴ
リンゴぷかり
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すすっとすすっと白い影
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誰だろう
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もちろんツヨシ
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美味しいね!
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しばらく会えないことは寂しいね
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静かな秋がやって来る
落ちついて過ごす秋がそっとやって来る
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ツヨシにとって一番いいこと
みんなにとっても一番いいこと
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秋から冬へ
冬から春へ

そっと静かな秋の中へ
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なるべく静かで気分がいい
そんな秋の中へ
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その前のとある日に
こうしてそっとプールの中へ
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咥えて出て来る
いつものツヨシ
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咥えられてるいつものサバ
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いつものツヨシ、いつものサバ
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かわいいね
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大きなサバはきっと美味しくて
静かに過ごしている日々も、時々こうして美味しく食べて
秋を一日一日少しずつ、空を眺めてのんびりのんびり
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壁で仕切られツヨシは向こう
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そんな時、繋がっているのは秋の空
空は高く、空は繋がるどこまでも
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そんな時、繋がっていくのは時間
同じスピードそんな時間
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誰も時間を止めなければいつかまたツヨシに会える
誰もみんなツヨシに会える
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空と時間でツヨシと一緒
みんな一緒、ツヨシと一緒
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みんな一緒、見えにくいだけ
みんな一緒、ツヨシと一緒
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何も心配いらないね
何かを思う、それだけなんだね
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深まる秋
ツヨシの秋は静かな季節
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静かな秋にきっとジャンブイ傍で笑っているよ
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ツヨシの傍で、ツヨシと一緒に笑っているよ
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静かで楽しい秋が来た
空と時間を大切に思う、そんな静かな秋が来た
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この“しぶき”
水しぶき
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サバのしぶき
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アジも一緒に
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空と時間でツヨシと一緒
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その二つならみんな一緒、ツヨシと一緒
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次に会うのはいつだろう
次に会う時、どんなだろう
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その時ツヨシはどんなだろう
動物園はどんなだろう
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by bon_soir | 2017-10-01 11:43 | ズーラシア | Comments(2)
ジャンブイ

ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
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秋空、軽く高く
でもこの日は重く低く
雨降るか、降らないのかどうなるか
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いつもの場所
お昼寝ジャンブイ
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目は覚めている
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横になってるだけなのか
少し寝ぼけてふわっとしているときなのか
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おはよう
おはようジャンブイ
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空、晴れる気配なし
今日の天気はこんなふう
思い雲、低い空、吹く風重く、梅雨のそれ
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青い空がいい
軽く高い雲がいい
身体くすぐる風がいい
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色々考えながら夢の中
短いけれど素敵な夢が待っててくれる、朝のうとうと
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お昼頃
いつもどおりのおやつの気配
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待ち遠しい
待ち始めるのは少し早い
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まだ少し、あと少し
時間はあるよと思うけど、待つのもきっと楽しいジャンブイ
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普段のおやつだとしたら、ジャンブイはサバが好き
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「サバはあるかな?」
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きっとあるよ、サバあるよ
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「サバはあるかな?」
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きっとあるよ、サバあるよ
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「サバはあるかな?」
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きっとあるよ、サバあるよ
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なかなか時間にならない気がする時
楽しいことを待っている時
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そわそわそわそわ
大人だってそわそわそわそわ
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ついつい、うろうろ
つい、うろうろ
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同じように座ったら
あくび出た
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今日のプールの色は空と同じ、ちょっと暗い灰色で
アメンボ一人、つつっと滑る
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おやつ、まだかな
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窓の向こうにいるのはツヨシ
ジャンブイ、かわいい女の子の顔を見る
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好きだから
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飼育係さんの気配
美味しいおやつの匂い
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少し急ぐ
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見上げた先のおやつ
サバから投げられた
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ジャンブイなりに急ぐ
あわてない
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大人だからね
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苦手な夏を通り越し、秋に待つのは冬のこと
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雪、降るかもしれないね
雪、積もるかもしれないね
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青空からは雪降らない
白い空から白い雪
雪降るときは何もかもが白くなる
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水の中は水色で、世界の色はくるくる変わる
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秋の色ってどんな色
紅葉する木が庭にければ少し迷う
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でも今は秋
時々暑い日残るのは、夏がまだ少し残っているから
季節の滲みがなかなかとれていかないだけだから
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おやつの時間はすぐに過ぎ
またゆっくりした時間が流れる
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あっという間
寂しいけれどあっという間
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楽しいことも寂しいことも全部突然やって来て
あっという間に終わってしまう
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後は心に残るだけ
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またやって来る
楽しいことはやって来る、幸せ感じる瞬間がまたすぐにやって来る
だからきっと大丈夫
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すぐに雪、降るかもしれないね
すぐに雪、積もるかもしれないね
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見上げた空は曇り空
ときおり雨が少しだけ落ちてくる
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こんなお天気の日だから動物園はやっぱり静か
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眠ろう
今日の雲は形がわからなくてつまらない
空一面、覆って動いているのかわからない
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いつもの場所へ
夏を過ごしたあの場所へ
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ここで寝るのは夏の名残
苦手な夏を過ごした場所
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夏の名残
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丁寧に
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丁寧に寝床の形を整えて
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素敵な夢が見られるように
願いをこめてそっと整えて
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これで良しとちょっと納得
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そっと入る夢の中
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今日の夢はどんな夢
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ジャンブイ見る夢どんな夢
動物見る夢どんな夢
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by bon_soir | 2017-09-10 13:43 | ズーラシア | Comments(2)
ジャンブイ
ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
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水に浸かり休む浅瀬
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ゆっくり夏を越えていく
越えて向こう側、秋が見えてきそうな、そんな曇りの日
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なにかそっと呟いた
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あたりは少し騒々しい
でもジャンブイはとても静か
ジャンブイの周りはとても静か
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秋の足音
それも静か
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何を乗せて夏は行く
何を乗せて秋は来る
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静かに静かに、地球が動く
傾く地軸で季節が変わる
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穏やかにジャンブイ
あの激しい春は嘘のよう
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ツヨシを精一杯追いかけたあの春は、いつのまにか裏側、秋へと変わりそう
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強い陽射しの代わりにたくさんの雨
今年の夏はもしかすると静かな駆け足
このまま通り過ぎてしまいそう
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水に浸かり休む浅瀬
真っ白黙る曇り空
大きな大きなホッキョクグマ
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みんな静か
とても静か
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人が少ないわけじゃない
でもなんだか静かな動物園
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秋の足音、静かな足音
ジャンブイ歩く
静かな足音
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今日も曇るか明日も雨か
そんな8月続いてる
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ジャンブイ探すメッセージ
ツヨシが残した夏の優しいメッセージ
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トンボを見たよと二人で話す
小さな声で優しく楽しく二人は話す
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「また雪は降るのかな?」

「気が早いよ」

二人は笑う夏の終わり
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ゆっくり夏を越えていく
越えて向こう側、秋が見えてきそうな、そんな曇りの日
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何を乗せて夏は行く
何を乗せて秋は来る
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ゆっくり夏を越えていく
越えて向こう側、秋が見えてきそうな、そんな曇りの日
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by bon_soir | 2017-08-20 10:59 | ズーラシア | Comments(0)
イッちゃん少し見ない間に


天王寺動物園で暮らすホッキョクグマ、イッちゃん
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暑くて暑くて、イッちゃん眺めているだけでも暑くって
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きっと動物達も暑くて仕方がないと思っているような夏の日
でもイッちゃんにはプールがある
いっぱい泳げるホッキョクグマ
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いつものことかもしれないけれど、夏らしい過ごし方
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お気に入りの長いブイ
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もうすっかりと夏の真ん中
どこでも聞こえてくるのは大勢のセミの声
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何度も何度も沈めても
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きらりと光る水の中へ何度も何度も沈めても
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沈めても
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浮かんでくるね
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イッちゃん少し見ない間にプールから上がってた
まだまだ暑い昼間のこと
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太陽じりじり、空気はぐうっとまだまだ暑い
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落ちるよう
プールの中へ、冷たいお水の中へ
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「わー」
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楽しいね!
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少し見ない間に飛び込む
夏のホッキョクグマ、イッちゃん
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やっぱりこれがお気に入り
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お気に入り
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イッちゃん少し見ない間に
綺麗な大人になっていた
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イッちゃん少し見ない間に
かわいい大人になっていた
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そんなイッちゃん
ぐるりと一周
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走るよ
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イッちゃん走ってくよ
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イッちゃん少し見ない間に
もうすっかり大人
天王寺動物園のホッキョクグマ
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夏だね
きっとロシアよりずっと暑い
そんな夏だね
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夏の動物
夏だって動物園
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歩き回るの少し大変
過ごす動物、もっと大変
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春には春の、夏には夏の動物達
これから秋の、その次冬の
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色々な季節の動物達、本当はいつものんびり
それがいい
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なんだか少し見ない間に大きくなって綺麗になって
寂しい表情何処かに行った

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そんなホッキョクグマ、イッちゃん




    

by bon_soir | 2017-07-30 14:08 | 天王寺動物園 | Comments(0)
思い出すのは雪が降った日
ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
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閉園時間が近づく動物園
夏至は過ぎてもまだまだ陽は高く、そして本当に暑い
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ジャンブイ、そっと佇む
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暑そうにただそっと
そっと佇み動かない
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暑さをこらえて夏を行く
何度も過ごした夏を行く
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「いつかまた、降るのかな」
ジャンブイは思い出す、そしてまた夢に見る
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雪が降った日のこと
思い出してまた夢に見る
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「綺麗だったな、気持ちよかったな────寒くて冷たくて、楽しかったな」
ジャンブイは年に何度か、そんな雪の日思い出す
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今、見上げれば日除け
あの日、見上げれば白い空から白い雪
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「そのうち涼しくなるのさ、そのうちまた寒くなるのさ」
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「また雪は降るのさ。僕とツヨシの所へと、また雪は降るのさ」
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「今は緑輝くアラースの谷をまた白く染め、僕とツヨシをお散歩に誘うのさ」
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「僕はまた思い出す、僕とツヨシはまた思い出す」
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「あの日のこと、雪の積もる夜に散歩した日を思い出し、僕等二人そっと笑うのさ」
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「そのうち涼しくなるのさ、そのうちまた寒くなるのさ」
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「また雪は降るのさ。僕とツヨシの所へと、また雪は降るのさ」
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「夏も悪くないけどね。僕達はホッキョクグマだから、ね」
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閉園近づく動物園
あと少しだけれど眠ったのか、いつもの場所でうつ伏せジャンブイ
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上にミスト
がんばれミスト
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夏を行く、夏を越える
ホッキョクグマ、ジャンブイ
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また雪は降る
ジャンブイとツヨシの所へ
動物達の所へ
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夏を越えていく動物達の所へと、冬になれば雪は降る
きっと降る



   

by bon_soir | 2017-07-20 12:00 | ズーラシア | Comments(4)
ツヨシ
ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ツヨシ
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横浜で2回目の夏
春の終わり、夏の始まり
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少し浮つく恋の春、そっと自然に終わりを告げて
次に来るのはただ暑い夏
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変に現実的で、「暑い暑い」とただただ感じる、そんな夏
横浜の暑い夏
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それでも夢が素敵なままでいるわけは、過ぎた春が本当に夢のようだったから
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少し緊張もしたけれど、恋する春を歩いて優しさ触れたから
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ホッキョクグマの輝く春を二人で過ごし、色々話して一緒に笑って
幸せな気持ちになったから
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あの春は終わってしまっても、あの日の夢はまだ続く
きっと続いて暑くて静かな夏にそっと笑顔を作っていく
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そんな日
そんな夏の始まり
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雨の季節を通り抜け、これから始まる暑い夏へ
そんな日
そんな夏の始まり
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ツヨシ、2回目の夏
横浜での2回目の夏
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夏の雲はどんな形、夏の空はどんな色
今ジャンブイはどんな顔
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ジャンブイきっといつもの笑顔
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あの春の日、二人は一緒に思い出し
二人は一緒に思いを馳せて
今、二人は同じ笑顔
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次の季節はどんな季節
夏、秋、冬
次来る季節はどんな季節
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次来る春はどんな春
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美味しい魚を食べて時間は過ぎていく
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いつも夢見て、時間は過ぎて
ツヨシの姿に夢を見る
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夏になる、そっとなる
じりじり暑い夏になる
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全ては途中
長く続く幸せに、全ては途中
幸せを眺めることに終わりは無いからいつも途中
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幸せの形
少しずつ変わるだけ、少しずつ変わっていくだけ
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かわいいツヨシ、優しいジャンブイ
白いホッキョクグマ
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青い空に白いクマ
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夏の始まり
秋への準備
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ツヨシの夏
横浜での2回目の夏
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by bon_soir | 2017-06-19 14:32 | ズーラシア | Comments(0)
特別な日、特別な旅、特別な二人
上野動物園で暮らすホッキョクグマ、イコロとデア

このお話しは前回→☆☆☆☆☆の続きになります
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北極点から眺める北極星、それは僕の頭の上でそっと瞬き輝いていた
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同じ時刻、きっと大勢のホッキョクグマ達が世界中から眺めていたことだろう
同じ時刻、北への目印にして旅をしている仲間たちがいたのかもしれない
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そんな北極星の隣で僕を見守ってくれていたユキオさんとレイコさんが輝かせるあの星は、さらにゆっくりと瞬き
ときには強く、時には優しく光り、まだ大人になりきれない僕に話しかけてくれているようだった
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「あの光り方、あの感じ。デアも眺めていたのかな───」

帰りのモノレールの中、北極点への旅を思い出していた僕
冬の始まり、少し冷えてきそうな窓の外、星空見つめ、僕はふと呟く
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───毎日窓の外を眺めるデアの顔を綺麗な星空に重ね、ふと、そう呟いていた
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「そろそろ動物園に着きますね」
運転手の猿はいつもの小さな声だ
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その声は少しぶっきらぼうにも感じるけど不思議と聞き取りやすく、何故か優しく僕の心をそっと撫でる
見下ろせば街の灯───今回の旅はもう少しで終わりになる

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「デアはまだ眠っているのかな」と、またデアのことを考えた
思えば最初から最後まで僕の頭の中にはデアの顔があった

出発する時、北極の氷の大地に立った時、北極点を目指し歩いている間一人道に迷った時
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そして北極星を、ユキオさんとレイコさんの星を見上げている時───
ずっと、ずっとデアのことを思い浮かべていた
───僕にとってのデアは上野動物園で暮らす理由、その全てになっていた
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右側の窓の向こうにエミューの姿が見えた
「ただいま」と、小さく呟いてみた
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モノレールは東園駅へと静かに吸い込まれていく
「到着です」と、運転手の猿は停まったモノレールのドアを静かに開け、僕の方に振り返る
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「楽しかった、素晴らしかったよ。そして色々なことを考えた」
僕がそう言うと運転手の猿は軽く頷き、そしていつもより少しだけ大きな声で言った
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「また来なさい。特別だと思った日、大切だと思った瞬間、いつだって私は大好きなモノレールを走らせます。動物達を乗せて走らせるモノレール、それはとても素敵なものです。時には悲しい時、寂しい時もありますけどね」
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「そうだね、きっとまた来るよ」
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僕がそう言うと運転手の猿は一度大きく頷いて、すぐに猿山に向かって走り出した
その背中は小さいけれど暖かい
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「ああ、そうだイコロ君。その時はまたフクロウから切符を貰ってくださいね」
と振り返って最後に一言
「あぁ、わかってる。今日はありがとう」と、僕が言うと、柵を軽く飛び越え運転手の猿は猿山へ帰っていった
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───僕も早く帰ろう
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明るくなり始めた東の空、気の早い小鳥の賑やかな声が遠くの方から聞こえていた
北極圏ほどじゃないけれど、やっぱり少し冷えてる夜明けの時間
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なんだか急に眠くなってきた僕は東園駅からホッキョクグマの家に向かって少し急いで歩く
空を見上げて大きく息を吸った
朝日の明るさで星はもう見えない、朝の月がぼんやり大きく街の建物のすぐ上にただ浮かんでいた
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『キッ』と少し音がするドアを開けてそっと部屋に入る
デアの部屋の方へ視線を静かに動かすと、目を覚ましていたデアは僕のことをじっと見つめている
入ってくる所から全部見られていたのかもしれない
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二人目を合わせて何秒間───すっ、とデアの姿は見えなくなる
どうやら床で横になったようだ
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壁を背にして座った僕はふと部屋の天井を見つめた
するとその天井は急にどこまでも広がり僕を囲む
無機質な色、風合いは青い夜空に変わり、北極点から見上げた星空、北極星が真上に輝くあの星空が部屋一面に広がった
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僕の身体は宙に浮き、部屋の星空へと吸い込まれていく
「夢への入り口───今日はここ、こんなふうなんだ」
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不思議な夢
不思議で楽しいホッキョクグマの夢
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ホッキョクグマの夢
大勢のホッキョクグマが北極点へと歩く夢
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北極点の夢
自転の芯棒そびえ立つ、あの北極点にホッキョクグマが集まり笑う
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そんな夢
なかなか覚めないそんな夢
深い眠りの僕が今、見ている夢はそんな夢───
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広がる青空、冬の空
アシカの声が大きく響く
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夢から覚めても僕はぼんやり、頭の中にはあの星空とデアのことばかり
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大勢のお客さん達が今日も僕等に会いに来ている
入れ代わり立ち代わり、すぐに過ぎていく人、長く見ている人
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一人のような人、二人で来ている人、大勢で来ている人
みんなそれぞれだ
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そんなお客さん達を眺めていて、僕はふと思った
───昨日一日、僕は動物園にいなかったはずなのに、なんでみんなは何も思ってないんだろう
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そういえば飼育係さんに会った時もみんないつもどおり、普通の朝だ
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あの時確かに運転手の猿は言っていた

『動物がモノレールに乗っていくこと、それは飼育係さんも知らない内緒のこと───』

そういうことなんだと
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聞いたときは深く考えなかったけど、こうして後から考えるととても不思議だ
「まあいいか」と、空を見上げ呟いた
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あの星空、輝く北極星の素晴らしさと比べたら、そんなことはちっぽけなこと
そう、ちっぽけだ
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冬の夕暮れ、それは凄く駆け足
動物園に閉園の時間が来るより早く陽は落ちて、いつのまにか増えてきた雲が空一面を覆ったこともあってか、辺りはもう薄暗い
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部屋へ戻るドアがいつものようにゆっくり開いて閉園の時間だといつものように僕に言う
動物園は今日一日何もなく、みんなただ穏やかに過ごせたようだ
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部屋に戻り夜を待つ
真っ暗になる少し前からデアはいつものように窓の外、いつもの夜空を眺め始める
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北極点への旅、あの素晴らしい光景のことをデアに話したかったけど、夜空に星を探し見つめるデアに僕は話しかけることが出来ない
星にユキオさんの姿を重ね、一緒に過ごしたその日々を想う時間───デアにとってきっと何より大切なその時間
───邪魔することなんて僕には出来ない
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長い時間、夜空を見つめるデア
「君はいつもそうだ───」

デアの心には星がはっきり見えているのか───今日も夜空は曇り空、目では見えないはずなのに
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気がつけばもう何日も曇りの日が続いていた
すっきりと青く高い空、澄んだ空気、綺麗に見えるようになった冬の星座も眺めることが出来ない
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ある日のこと
朝が来て目を覚ましたデアは空を見上げため息一つ、今日も肩を落としていた
今夜もこのまま曇り空───さみしげに思うこと、それはそういうことなんだろう
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僕等にとって気持ちがいい季節、冬はもう始まっているはずだった
雲の向こう、空はきっと青いんだ
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雲の向こう、夜空の星はとても綺麗なはずなんだ───
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デアが夜空を眺める時間はだんだんと短くなっていった
やっぱりどんなに想像力があったとしても、星の無い夜空は寂しいんだろう
雲の向こうにユキオさんとレイコさんが輝かせるあの星をいくら思い描いたとしても、きっと本当の輝きには勝てやしない
雲の向こうで輝いているはずなのに目で見ることが出来ないということ───きっとなにより寂しいんだろう
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窓から離れたデアの背中、悲しげなその背中を見た僕に不思議な力が湧いた───初めて「デア」と声をかけたあの日のように
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「デア」
この一言がまたやっと声に出た
初めて声をかけたあの日、その時よりも力強く大きな声で、僕はデアを呼び止めた
北極点から見上げた北極星、あの輝きが僕の心に力をくれる
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振り返り僕を見たデアの顔、涙に濡れてる綺麗な瞳
不思議な力に後追され僕の想いは声になり、驚くほどに次から次へと言葉になった
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「デア、この前僕は旅をした。上野動物園のモノレールで行く、動物達の素敵な旅だ」

「旅?」
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「そう、旅だよ。あまり長い旅じゃないけれど、僕は遠くへ行ったんだ。どこだと思う?僕が目指したのは北極点さ。全ての北の終わり、北が集まるただ一つの場所、それが北極点なんだ。北極点には何があると思う?僕も知らないことだったけど、北極点には地球が回転するために必要な芯棒が立っている。芯棒は地球をつらぬき、その端っこがはみ出して、高くそびえ立って見えるんだ。それは本当に大きな大きな芯棒なんだ」

「北極点───」
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「デア、僕は北極星が見たかったんだ。そう、僕が声をかけたあの時、君が毎日眺めていると言っていた星、北極星。この世界で一番大きく見えるかも知れない場所から北極星が見たかったんだ。モノレールの運転手さんから聞いた北の果て、それが北極点。世界で北極星に一番近いかもしれない場所、それが北極点。そこまで行ってデアの北極星、デアが眺める北極星を僕は探し、眺めてみたかったんだ」

「私の北極星───」
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「デアと同じ星を眺めたい───違うな、色々な意味で同じ風景を見たい、って僕の気持ち───少しはわかってくれるかい?」

「わかるよ、伝わるよ。イコロさんは今、とっても真剣だもの───」
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『キッ』と少し音がするドアを開けて部屋の外へ出た二人
イコロはデアを連れ、モノレールの東園駅へと歩き出しました
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それは曇ったままの重苦しい空の下、風一つ無い静かな夜のこと
饒舌だったさっきまでとは違い、イコロは少し緊張していて何故かやや早足
横を歩いていたはずなのに、いつの間にか歩くはデアの数歩前
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後ろで聞こえる足音、静かな吐息、微かに感じられるその体温
それは今まで感じたことの無い存在感となり、イコロをさらに緊張させていきました
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「大丈夫、僕は一度経験している。大丈夫、前と同じように星とホッキョクグマ達が僕等を導いてくれる───」
デアに聞こえないように小さく呟いたイコロ
歩いたまま一度振り向くと、ただイコロの背中を見つめ後を一生懸命についてくるデアと目が合いました
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「あっ」
つい声が出てしまったイコロは少し照れ、前に向き直すともうすぐそこにモノレールの駅が見えてきていました
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イコロは一度大きく頷いて、もう一度小さく呟きました
「大丈夫、きっと大丈夫───僕はデアを連れて行く。北極星を、デアの北極星を大切な場所で二人一緒に見上げるんだ」
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「止まったままのデアの時間をまた動かすんだ───」
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「フクロウさん、いますか?」
駅に着くとまず最初に券売機の前に立ち、イコロはフクロウの姿を探しました
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「あっ」
フクロウを呼んで数秒、暗闇に大きな丸い目が浮かんでいることをデアは見つけ、「ねえ、あそこ───」とイコロにそっと声をかけました
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二人に気がついたフクロウはパタパタと飛び、券売機のすぐ上、イコロとデア、今度は二人の前に止まりました

「良かった、今日もここにいてくれたんだね」と、イコロは一人小さな笑顔
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「北極点、北極点までの切符をください。今日は二枚、僕とデアのぶんです。切符を二枚ください」

イコロから行き先を聞き頷いたフクロウは券売機のボタンをそっと押しました
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すっと出てきた二枚の切符、それは前と同じように『北極点』と書いてある小さな切符
「デア、これを持って」と、イコロは切符を一枚デアに渡し、フクロウにお礼をしました
つられてデアもお礼をし、開いているドアに向かって思わず走り出したイコロの背中に可愛らしさを感じ、「待って───」と、後を追いかけます

デアは笑っていました
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静かに優しく、女の子らしく、そして可愛らしく
イコロと上野動物園のモノレールを見つめ、デアは笑っていました
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「君はまたすぐに来ると思っていました」
イコロがモノレールの中を覗くと、運転手の猿の小さな声がしました
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運転席に座ったままイコロに振り向くと、後ろにいるデアのことに気がついた運転手の猿
「デア、よく来ましたね」と、にっこりとした笑顔を浮かべ、イコロを見つめて頷きました
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「運転手さん、これ。また今日もよろしくお願いしたいんだ。ほら、デアも切符を渡すんだ」
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「『北極点』ですか。今日はデアも一緒の旅。なにより素敵な旅になりそうですね」
二人から切符を受け取った運転手の猿は受け取った切符を大切そうに袋に入れ、モノレールを動かす準備を丁寧に始めました
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「危ないですからね。さ、二人共、早く座ってください───」
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静かに上野動物園のモノレールは走り出した
僕を乗せて、デアを乗せて
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今日もエミューが見送ってくれている
「行ってくるよ」
僕は言う、声にはしないで心の中で
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上野動物園のモノレールはスピードを上げ、高く昇っていった
僕等の目には街の灯り、色とりどりの街の灯り
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デアはだんだん離れる街の灯りを眺めて微笑む
小さく一言「綺麗」と呟き微笑む
そう、それでいい───運転手の猿はうるさいのは嫌いなんだと言っていた
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動物園から大きな空へ
それが上野動物園のモノレール
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静かに聞こえるモーターの音
雲を抜けて星空へ、雲の隙間の青空走って、いつのまにか切符に書かれた目指す場所
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それが上野動物園のモノレール
それが動物達が内緒で乗ってる上野動物園のモノレール

運転手は猿だ───
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「デア」
街の灯りが見えなくなって、僕はそっと声をかけた
デアのお返事は無い
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見ればデアは眠っていた
子グマのように無邪気な顔で、お母さんのように優しい顔で
デアはモノレールにゆっくり揺られ、一人そっと眠っていた
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窓の向こう、夜空に浮かんだデアの顔
今はこうして、今日はこうして傍で微笑む
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どんな夢を見てるんだい
誰の夢を見てるんだい
夢に北極星はみえるかい
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僕も眠るよ
君の傍で僕も眠るよ───
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「イコロ君、もう少しです。北極点の近くまで来ましたよ」
運転手の猿が少しだけ大きな声で僕を呼ぶ
前と一緒だ
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身体を起こして覗いて見下ろす窓の外
これから歩く氷の大地
北極圏に僕等は着いた

───僕等、北極点まであと少し
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「本当にまたここでいいんですか?デアもいるのに───」
モノレールを地面に降ろし、ドアを開けた運転手の猿が訊いてくる
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「大丈夫、道ならわかるよ。この前歩いて思ったんだ。北極点はただ見ればいいってわけじゃない。この気持ち、どう説明すればいいのかわからないけどね───」
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運転手の猿とそんな話をしているうちにデアはモノレールを降り、夜空を見上げた

「凄い───」

そう一言呟き、あたり一面の星の中にいつも眺める星座を探す
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動物園から眺める夜空の何倍の星が輝いて見えるんだろう、星座を探すのもままならない
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でも僕にはわかる、北極星の光る場所、ユキオさんとレイコさんの星が光る場所
一度見上げた僕にはわかる

「デア、大切なものは自分で見つけるんだ。迷ったら僕が教える、僕が導く───そう決めたんだ」
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「私はここで待っています。二人で好きなだけ旅を楽しんできてください。二人にもし何かあれば私はわかります。その時はイコロ君達を探しに行くことにしましょう」

運転手の猿はモノレールを走らせることが大好きだと言っていた
表情はあまり変わらないけれど、楽しそうにしていることだけはわかる
そしてこの場所、僕とデア、二人のホッキョクグマがここにいるということ。それを大好きだったって言うユキオさんとレイコさんとの旅に重ね、その日のことを思い出しているんだろう

まだ全然ユキオさん達の歴史には足らないけれど、僕とデアもホッキョクグマだ
───上野動物園のホッキョクグマだ
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「明日の動物園はどうなるの? 私達がいないと飼育係さんやお客さん達がびっくりしちゃう」
デアは落ちついた小さな声で運転手の猿に訊いた
前回の旅で僕は気にも止めなかったこと
デアはしっかり者だ
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「一日と一日の間に“動物達だけの特別な一日”を増やしておくんです。飼育係さん達やお客さん達にはその一日は気がつきません。そうすれば旅を思う存分楽しむことができると思います。時間ばかり気にしていたら旅が素敵なものにはなりませんからね。みんな最初は不思議に思うかもしれませんね。でも私にはそれが出来るんです」
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この前もそうだったんだ、と僕は感心した。
不思議なことというのは必ずある、どこにでもある
そうだ、運転手の猿は凄いんだ───ちっぽけなんかじゃない
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「じゃあ行ってくるよ」
僕が言うと、「ああ、ちょっと待ってイコロ君、デア」と、僕等を呼び止める
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「さっきイコロ君は『道ならわかる』と言いましたね。そう、一度歩いたイコロ君なら道が確かにわかるはずだと思います。行き方がわかるなら後は大事なのがその途中、“旅の途中”が大事になるんです。ただ見ればいいってわけじゃないとも言っていたから安心していますけど、今一度イコロ君に教えましょう。旅に大切なことというのはゴールだけじゃありません。旅の途中にたくさんあるんです。道がわかるなら後は途中、何を見るか、何を聞くか、何に触れるのか───そして誰と何を一緒に感じるか」

運転手の猿は少し大きな声で話す
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「誰と何を一緒に感じるか、旅が二人以上の時、誰かと知り合う時───そんな時には大切なことです」
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僕は歩いて、デアの前を
僕は歩いて、北極星を正面に
僕は歩いて、北に向かい
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僕等は歩く、歩いてく
僕等二人、北極点を目指して歩く
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夜空を埋めるたくさんの星、どこを見ても丸い星空
振り返るたびに流れ星、す、す、すーっと流れ星
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北極点へ向かう空、向こうに見える星の輝き
なんでだろう、何故か本当に懐かしい
なんでだろう、何故か本当に暖かい
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なんでだろう、背中がいつもよりも大きく見える
「わかるよ、また伝わるよ。イコロさんは今、とっても真剣でとっても優しいもの───」
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「芯棒が見えてきた───あともう少しだ」
心の中でふと呟く
もうきっとデアも気がついていることだろう、遠くに地球が自転するための芯棒が見えてきた
空を見上げなくなったデア、何も言わず北極点を見つめているんだと思っていた
でもそれは少し違っていた
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芯棒が近づいてくるたびにデアの目には涙が溜まってきている
そしてそれは一歩一歩と歩くたびに、ぽた、ぽた、と落ち始めていた
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芯棒まで本当にあと少し、というところで僕も気がついた
「誰だろう───」
芯棒の下からこっちを眺めているような光が見える
───優しい光のホッキョクグマ
「あれはきっと、ユキオさんとレイコさんだ───」
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僕等は北極点に着いた
自転するための芯棒もユキオさんとレイコさんも目の前だ
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「……はい、元気です。元気で変わらずやっている、そんなつもりです」
デアはユキオさんと話しているようだった。
涙があふれた瞳をたくさんの星で輝かせ、嬉しそうに話を続けた

なぜか僕にはユキオさんの声が聞こえない
でもそれでもいいと思った
悲しく寂しいお別れで涙をこぼし続けたデア、そのデアが今こんなに嬉しそうに涙をこぼしてる
僕にはそれだけで十分だ
北極点まで二人で来れたこと、不思議なことでデアが笑顔を見せてくれたこと
僕にはそれだけで十分だ
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見上げた空には北極星
僕とデア、そしてユキオさんとレイコさんの上で輝く北極星
僕等を誘い、導き続けるそんな星
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北の果て
寒くないんだ、冷たくないんだ

北極点は温かいんだ
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「……大丈夫です。私にはイコロさんがいます。だからレイコさんと二人、また幸せにのんびりとしていてください。いつも見守ってくれているのもちゃんと感じています。ユキオさん、レイコさん。ありがとう、いつもありがとう───今日はさようなら」

ユキオさんとデア、二人の短い邂逅は終わった
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ユキオさんとレイコさん、二人は手を繋いだ
僕は二人にお辞儀をした───その時だ
「デアをよろしく、イコロ君。きっと君なら大丈夫だ。明日も明後日も───そう、何年後もね」
───僕にも聞こえた
優しくて大きなホッキョクグマ、ユキオさんの声が僕にも聞こえたんだ
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遥か空へ、あの星空へ
二人のホッキョクグマはあの星空へ

───デアが眺め続けた、あの星へ
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「あ、あの星は!───」
デアの驚きは声になる
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ユキオさん達が帰っていった星が強く輝いた
デアが見つめ続けてきた星“デアの北極星”が本当の北極星の隣で輝いているということにデアは気がついた
デアの瞳からたくさんの涙がもう一度溢れ出していた
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「デア、また来よう。ここに、北極点にさ。何度でも来ようよ。きっとここから眺める星が一番綺麗だよ」

「駄目だよ、ここには特別な日にだけ来よう。この先きっとやって来る、特別な日にまた来よう。ここは特別な場所だから」

「特別な日? 特別な日ってどんな日だい?」

「もちろん今日みたいな日」

「今日は特別な日になったのかい?」

「イコロさん、あなたは特別だって感じない?」

「感じるよ、感じるよデア───今日はとびきり特別さ」

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僕等の所にやって来る
きっとまた特別な日がやって来る
上野動物園で二人一緒に暮らしていれば必ず特別な日がやって来る
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今日は始まり、その始まり、まだまだ始まり
これからこれから、まだまだこれから
僕は明日を信じてる
今日を明日を明後日を、この先ずっと何年も───
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僕等は未来を信じてる
僕等はもっと笑えるはずさ
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ホッキョクグマの春はその特別、特別なんだ
僕等の春がやって来る
毎年必ず、冬の後にやって来る

特別な気持ちで心がいっぱい、そんな季節

特別な季節さ




      

by bon_soir | 2017-06-15 06:13 | 上野動物園 | Comments(4)