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とある日、男の子達
埼玉県こども動物自然公園で暮らすコアラの男の子達
コタロウ
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ピノ
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そしてコロン
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この日は外に出る子がいない日
お部屋でゆったりのんびり
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コタロウ
夢の中
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そろそろユーカリの葉っぱやって来るようで
ピノはうろうろ
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大丈夫
順番に来てくれる
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コロンのお部屋
新しいユーカリ
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今日も美味しいユーカリの葉っぱ
いつも美味しいユーカリの葉っぱ
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こうしてゆっくり
ぱくぱくぱくぱく
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ピノの所にまだ来ない
もう少し、あと少し
待っていようとそわそわそわそわ
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遠くからやって来てくれたコロン
きっともうすっかり慣れて埼玉コアラ
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行きたい方向
たいていは後ろ側
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これが準備
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両足、幹に
力をこめて
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飛ぶ
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コアラだからね
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ピノの所にユーカリ来ない、まだ来ない
もう少し、あと少し
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コタロウ
今日の夢はどうやら少し長いよう
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滲む境目
夢と目の前
滲む境目
行ったり来たり
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ずっと待ってたピノの所に
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ユーカリ来たね
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ピノも美味しく食べて
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満足
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眠るコアラの時間も進む
どんどん進んで閉園近づく
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一瞬だけ雨
ぱらぱらぱらり
外の木の葉に当ってぱらぱらぱらり
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窓の外で眠っていたコタロウ
その音で、少し当たった雨粒で起こされた
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ゆっくり歩く
まだ少し寝ぼけているからね
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梅雨と違って、夏の雨とも違って秋の雨
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少し冷たい秋の雨
辺りを静かに、涼しく落ち着く秋の雨
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雨あがる度、冬が近づく
風吹く度に何が近づく
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今日はそろそろみんなとお別れ
かわいいコアラと今日はお別れ
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夕暮れ、閉園
夜が来る
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空にはもう冬の星座
これからどんどん空気は澄んで、そっと輝く星まで見えるようになる
夢の中で星
星、眺めているのかな
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by bon_soir | 2017-10-11 14:11 | 埼玉県こども動物自然公園 | Comments(4)
ハニー


埼玉県こども動物自然公園で暮らすコアラ、ハニー
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丸い顔に優しい笑顔
大きな身体のコアラ、ハニー
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ハニーは寝相もときおり見せるポーズもどこか変
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少し目を覚ましてぼーっときょろきょろ
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目を覚ましたけれどやっぱりどこか
ここか少し眠くてあくび
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丸い顔に優しい笑顔
大きな身体のコアラ、ハニー
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少し移動
そして変な伸び
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ハニーらしさってこんなこと
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足までだらり
コアラは背が高い

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そのままあくび
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ハニーはこんな、こんなふう
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会う時たいていこんなふう
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あくびアゲインもう一度
コアラは眠いよ、もう一度
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ハニーを見てればハニーも見てる
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こっちを見てる
こっちを眺めて何かを思う
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傍へとニーナが歩いてくるれば
なんだか少しやさしい気持ち
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小さなコアラを眺めていれば
なんだか少し不思議な思い
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抱っこして眠ってみたいな
おぶってお散歩でかけてみたいな
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ポッケにしまって子守唄を歌ってみたいな
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そう、それはハニーの記憶
ハニーが小さかった時のお母さんとの思い出
その記憶
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ドリーを眺めてふと思う
────お母さんになる時いつか来るのかな
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ハニーの後ろ
歩いて来たのはクインかな
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ハニーは優しいコアラ
みんなが側を通り抜ける
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穏やか優しいハニーのことはきっとみんな大好き
いつだって控えめ、出しゃばらない
そんなハニーのことはきっとみんな大好き
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大きな耳で聞いたのは
丸い目開いて探して眺めたそんな物は
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風といっしょに近づいてくる“秋の気配”
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お部屋にいても音は聞こえる
お部屋の中でも景色は見える
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お部屋の中でも夜の長さが伸びたことはわかってる
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夏の終わり
秋の始まり
もっともっと深く深く秋の中へ
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短い秋は一生懸命
一生懸命に冬の準備
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今日の夢はどんな夢
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今日の夢はどんな夢
誰が出てきて何を話す
そんな夢はどんな夢
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急に風は強くなって外の木を大きく揺らす
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雨はときおり外の木の葉にぱらぱら落ちる
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涼しくなって聞こえないのはセミの声
確かに聞こえる秋の足音
繰り返し繰り返し、そっとてくてく
そっとてくてく、秋の足音
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少しづつ少しづつ
冬の準備を始めて過ぎる
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今日はざわざわ木が揺れる
秋の深まり、冬への準備
今日はけっこう進んでく
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明日はどんな日
明後日どんな日
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考えてはいるけれど、やっぱり何もわからない
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美味しく食べよう
ユーカリ食べよう
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いつもの毎日送っていこう
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ただ元気に暮らしていこう
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のんびりのんびり
眠って起きて、食べて笑って
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────どんなことでもみんなと一緒にやって
みんなと一緒に暮らしていこう
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閉園前に電気が消えてびっくり
びっくり足踏み外す
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大丈夫
ハニーならば大丈夫
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なんとか登って今日は閉園
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秋の日、一日きっと短い
きっと夏の日よりもよりずっと短い
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すぐに夜が来て
朝はなかなか顔出さない
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夜が来る
秋の夜がやって来る

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鳴いているのは秋の虫
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by bon_soir | 2017-10-02 11:58 | 埼玉県こども動物自然公園 | Comments(2)
ニーナ
前回あった時から日は空いて
ニーナはもうすっかり大きくなった
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朝はぐっすり
よく寝て育つ
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耳がふわふわ

みんな気にするユーカリ交換
その時ニーナもやっぱり目を覚まし、ゆっくり見渡すコアラのお部屋
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目に入るのは誰だろう
なんだか変なかっこのハニー
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ゆっくりゆっくり近づいて
小さなニーナが大きなハニーに近づいて
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ハニーも見てる
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お母さんじゃないよ、ハニーだよ
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ニーナはもう親離れ
ドリーももう子離れ
こうしてみんなと話をしながらニーナは大きくなっていく
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もっと大きく
もっともっと
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色々聞いて色々覚えてもっと大きく
もっともっと
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小さなコアラが大きくなるね
もっともっと大きくなるね
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抱っこの時期は終わったよ
おんぶの時期は終わったよ
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ニーナはこれからもっともっと大きくなっていくんだよ
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一番いいこと
いつもの毎日続くこと
子供から大人になって、そのままいつかおばあちゃんになっていって
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毎日いつものんびりのんびり
コアラらしくのんびりのんびり
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それがいい
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ハニーはコチラを見てるけど、ニーナはまわりをきょろきょろっと見渡すよ
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お母さんが何かやっている
よくわからないこと、お母さんが何かをやっている
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楽しいね
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お部屋の中は新しいユーカリのいい香り
好きなユーカリ探して見つけて
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ここがいいかな
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“No tree no me”
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ユーカリ無ければ食べられない
ユーカリ無ければ夢だって見ること出来ない
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それがコアラ
儚く健気、かわいいコアラ
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コアラはみんなユーカリに囲まれて、いい香りに包まれる
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風吹いてユーカリ揺れれば浮かぶ景色は夏から秋へ
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想像するのはそんなこと
向こうで食べてるお母さん
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お母さんから聞いた景色を想像しながら大きくなっていくんだね
大きな大陸、想像しながら夢に繋げていくんだね

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ユーカリ食べてこれからもっと大きくなっていくんだね
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もう抱っこもおんぶもないけれど、お話しだったらきっとたくさん
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お母さんから聞いた景色を想像しながら大きくなっていくんだね
大きな大陸、想像しながら夢に繋げていくんだね

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いつのまにかてっぺんでうとうとうとうと
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うとうとしながら毛づくろい
毛づくろい用の爪を使って、さっさっさっと毛づくろい
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うとうとうとうと
さっさっさっ
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ニーナももう立派なコアラ
のんびりのんびり毎日過ごしていつのまにかに大きくなった
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てっぺんから見渡して、てっぺんから見下ろして
夢を見るための準備をしていって
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変わらないことふと思う
お母さんのポッケの中の温かさ、柔らかさ
お母さんの温かさ、優しさ
離れた今も変わらない、きっとずっと変わらない
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コアラの温かさ優しさ柔らかさ
いつだって変わらない
どんなこともまるで昨日のことのよう、さっきのことのよう
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お母さんは傍にいる
いつだって傍に、傍でニーナの声を聞いている
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想ってうとうと
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感じてうとうと
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夢はいつでも温かい
夢もいつでも温かい
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たくさん眠るコアラだから、毎日たくさんの夢を見る
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たくさんの夢を見るために、たくさんの準備をしていくコアラ
どんなことでも想って感じて考える
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楽しいこと、嬉しいこと
悲しいこと寂しいこと、嫌なこと
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どんなことでも心の中に
きっとそう
だからそう
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小さなコアラ、ニーナもきっと
きっとそう
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今日はハニーがニーナの傍
気がつけば傍にいる
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ニーナはハニーに見守られ
今日ものんびり
ゆっくりのんびり
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振り返ればあっという間に時間は過ぎる
コアラ時間でゆっくりのんびり過ごしていても、あっという間に季節が変わる
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ガラス窓に映る自分を眺め、ニーナはふと
ふと思う
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風はざわざわ
外でざわざわ
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振り返ればあっという間に時間は過ぎる
コアラ時間でゆっくりのんびり過ごしていても、あっという間に季節が変わる
風に乗って変わっていくのが見えるよう
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眠っているときにも時間は過ぎる
止まらない、絶対時間は止まらない
眠っているときにもニーナは大きくなっていく
大人になるまでずっと、ずっと大きくなっていく
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眠くなってきたね
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なんだかそっと眠くなってきたね
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夢の入り口少しうろうろ
入っていくのか滑り込むのか、夢の中
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小さなコアラがそっと寝た
大きな夢を見るように、大きな世界を自由にしているように
小さなコアラがそっと寝た
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ハニーはそっとニーナを眺め、優しく微笑む夕方近く
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小さなコアラがそっと寝た
大きな夢を見るように、大きな世界を自由にしているように
小さなコアラがそっと寝た
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ふと目を覚まして聞いているのは風の音
ざわざわざわっと風に揺れてる枝の音
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揺れるユーカリ登ってみたくないかとみんなに聞いた
眺めたいもの感じたいことみんな、みんな違ってそれでいい
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ユーカリてっぺん登ってみれば、キラキラ光る大きな星に小さな手が届くかな
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秋の雲を引っ張って、手繰り寄せて体にかけた
さらさらさらと気持ちがいい
白くてなんだかいい香り
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そうだ、お母さんにもかけてあげよう
お母さんが眠ったら、そっとかけて一緒に寝よう
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それがいい
きっときっと、それがいい
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ニーナ、大きくなっていく
ずっとずっといつまでも、ニーナは大きくなっていく




       

by bon_soir | 2017-09-30 11:43 | 埼玉県こども動物自然公園 | Comments(4)
タイチ
多摩動物公園で暮らすコアラ、タイチ
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ミライが帰ってきてからのタイチ
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見て、聞いて隣を気にし、眠っていても夢の中でミライを眺めているような
そんなタイチ
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一人で起きていてもしかたない
ミライに合わせて目を覚まし、ミライに合わせて夢の中
合わせていれば少しづつ、少しづつ話が出来る
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視線の先
ミライ
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視線の先
小柄なミライ
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視線の先
かわいいミライ
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一人も気まま
悪くない
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一人になってそう感じ
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誰かといれば温かい
心のそこから温かい
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また二人になってそう思う
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そんなコアラ
タイチ
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────ミライさんが帰ってきたんだ
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ずっと会ってなかったんだ
ミライさんが目の前にいて最初はびっくりしたし、顔を眺めるのはなんだか照れくさかった
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一人も悪くないって思っていたのは強がり
強がっていただけさ
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僕達はいつも隣にいるわけじゃない
それでも傍に誰かがいてくれるってことは嬉しいことなんだ
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気がつけばミライさんの姿を探してる
そんな僕さ
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ユーカリ交換の時間だよ
ミライさんも食べるかな
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「秋のユーカリに変わってく気がするね────」
と話しかけるんだ
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そう、話のきっかけにはちょうどいい
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僕達二人まだ眠らないさ
話をしよう
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「秋のユーカリ、美味しいね────」
声をかけるにはちょうどいい
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ミリーさんが旅立つ少し前、僕は声を聞いたんだ
いつもと一緒の優しい声さ
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最初はただの寝言だと思っていたんだ
眠っているように見えたからね
僕は気がつかなかった────ミリーさんに会えなくなったその日まで、その瞬間まで、ね
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ミリーさんも寂しかったんだ、ミライさんが引っ越ししちゃってね
しかたのないことだから怒るわけじゃない、悲しむわけじゃない
ただ寂しかったんだ
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もうミリーさんがいない部屋を眺めてミライさんは涙をこぼす
今でも時々ぽとりぽとりと涙をこぼす
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僕は気がつかないふりをする
こういう所が僕の駄目なところなのかもしれない
けどこれでいいのかもしれない
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────わからないよ
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僕達二人、こうしてのんびりのんびり暮らしていけば、いつかそんな話をするのかな
僕達二人いつまでも、のんびりのんびり暮していけば、ミリーさんのように歳をとっていけるかな
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たくさん食べてたくさん眠ろう
僕達はコアラ、それがいい
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夏は過ぎた
日が沈むのが早いんだ
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薄暗くなる前にひと眠り
それもいいね
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このあたりのユーカリは夜になったら食べるんだ
「もう冬の星座かな?────」
って話しかけて、ミライさんと二人、夜の食事を僕はするんだ
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それがいい
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あの時、ミリーさんは僕に言った
『ミライをよろしくお願いしますよ』
ってね
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そして続けてこう言っていたんだ
『ミライ、離れてしまった時もあったけど、今も離れているけれど、これからは傍にいるね────』
と、ゆっくり見上げて言っていたんだ
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僕はただの寝言だと思っていたんだ
眠っているように見えたからね
僕は気がつかなかった────ミリーさんに会えなくなったその日まで、その瞬間まで、ね
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ミライさんは今、ミリーさんのことを想ってる
きっといつまでも想っていく
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親子だからね
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時々感じるんだ

僕のお父さん、僕のお母さん
二人も今、僕の傍に居てくれている
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そういうことをミリーさんは教えてくれた

嬉しいね
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ミリーさん、ありがとう
僕もミライさんの傍に居るよ
いつまでも、できる限り、ね
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そろそろ暗くなる
ミライさんもまた目を覚ますだろう
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あ、
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あんな所にミライさんの落とし物だ
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ミライさん、かわいいね
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by bon_soir | 2017-09-19 15:23 | 多摩動物公園 | Comments(7)
懐かしい場所、温かい声
多摩動物公園で暮らすコアラ、ミライ
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去年の10月初め、埼玉県こども動物自然公園に一度引っ越したミライ
7月半ばにまた多摩へと戻ってきてくれました
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埼玉では姿を見ることが出来なかったミライ
久しぶりに見る姿は前と変わらないまま、小柄で穏やかな印象のかわいいコアラ
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交換してくれる前のユーカリを美味しそうに
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お腹空いているのかな
食べること、安心すること素敵なこと
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眠ること
ぐっすりと眠ること
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一番コアラらしいこと────

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────隣のお部屋のコアラ達の声が聴こえないほどセミの声が大きなある日、私はまた箱の中に入り車に揺られていた
最後、そのセミの声の隙間に聞こえてきた声
短い間だったけど一緒に暮したコアラ達の声
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「ミライさん、元気でね────」
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私はまたお引っ越し────
そういうことだった
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「────今度はどこへ行くんだろう」
少しの不安はそれがもっと大きくなってくる前に、小さな安心に変わった
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『ミライ、おかえりなさい────』
飼育係さんの声が聞こえる
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箱が開くとそこは懐かしい匂いがする場所、ずっと暮してきた元のお部屋─────
私は大好きな動物園に帰ってきていた
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広いお部屋を見渡すとタイチが眠っているのが見えた
私のことにはまだ気がついていないようだ
きっと楽しい夢を見ているんだろう、時々不思議な寝言が聞こえる
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タイチの他にコアラはいない
私の目から涙がこぼれ落ちる
一粒、二粒、次から次へと音もなく流れ落ちて床に当たって跳ねて馴染む
「ただいま、お母さん────」
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誰もいないお部屋の片隅を見つめて私はそっと呟き、そして涙をこぼし続けた
────今年の初め、お母さんが遠くへ旅立ったことは埼玉の動物園で聞いた
最後に会えないなんてあんまりだと、悲しくて寂しくてもうどうしたらいいのかわからなかった
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今、こぼれ落ちる涙はあの時と同じ、悲しい涙だ
拭っても拭っても拭いきれない、悲しい涙
────あの時、その涙を止めてくれたのは温かい声だった
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埼玉のコアラ達は私の傍へみんなやって来て、「ミライさん、ミライさん────」と一緒に涙をこぼし、そして温かい声をかけてくれた
私達のたくさんの涙はユーカリの葉っぱをつたって床へ落ち、少し光ってそっと消える
それを眺めているうちに私は眠くなり、いつもよりもゆっくりとした夢を見た
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夢の中で子守唄のように聞こえる温かい声
辛い気持ち、悲しい気持ち、どんな気持ちもそっと優しく包んでくれた温かい声
それが誰の声なのかはわからない
埼玉のコアラ達の声を聞いたのは夢の外
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夢の中で聞こえた声は誰の声
────あの温かい声は誰の声
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もうここにお母さんはいない
今頃きっとあの空の上
白くて綺麗な雲の上
青く透き通った空の上
明るく、優しくきらりとまたたく星の傍
あの一面の星空のまた向こう
────今頃きっとあの空の、遥か高く空の上
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今度お母さんに会えるのはきっとずっと先のこと
ずっとずっと、ずっと先
きっと少し忘れかけた頃
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いつになるのかわからない
自分から会おうだなんて考えるのもいけないこと────
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いつかきっとお母さんにまた会える時が来る
私の大切な女の子「パピー」にもその時一緒に会えるんだ────
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そんなことを考える
涙は止まらない、溢れ、こぼれ、落ちる、跳ねる
大人になっても私は泣き虫、泣き虫コアラだ────
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お母さんが旅立って一人、この大きなお部屋でただ一人
あれからずっとタイチはここで一人頑張ってきた

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きっと寂しかっただろう
私が埼玉で泣いている間、どんな思いで一人暮らしてきたんだろう
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「頑張ったね、タイチ────」
こぼれ続ける涙でタイチの姿が霞んで見える
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起こしてしまわないように小さな声で言ったつもりだったけどタイチはそっと目を覚まし、寝ぼけまなこにゆっくりと辺りを見回している
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その姿は去年よりもどことなく大人びて、優しい顔はもっと優しくなったように見えた
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タイチが私に気がついた
気がつき、私と目が合った
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「ただいま」
私はそれだけ言って精一杯の笑顔を作る
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『ミライさん────おかえりなさい』

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タイチは最初びっくりした様子で私を見つめ、そして落ちついているけど少し照れくさそうにそう言った
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『ミライさん、泣いているのかい?』
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タイチは私の顔を覗き込み、そっとささやく
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「泣いてないよ」
私は涙を拭いながら少し大きな声を出して言う
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『ミライさん───』
タイチは優しく微笑み、私の傍で優しく話す
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『涙は止まるし、すぐに乾くよ────大丈夫』
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『ミライさんと僕、きっとこれからは一緒だよ。僕達きっと、ずっとこのお部屋で一緒だよ』
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『笑おう、笑おうよミライさん。僕だって時々泣きたくなる日もあるけれど、また笑おう。二人で一緒に笑おうよ』
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『誰かが泣いていたらさ、誰かが傍で一緒になって涙見せるんだ。そうすると何故だか笑顔に変わるんだ』
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『不思議だろ? でも本当のことなんだ。僕等二人ここで、二人が傍で一緒に暮してたらさ、きっといつでも笑顔になれるんだ』
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『何かを想って感じて涙こぼすことは大切なことさ。でも今日はもう涙はお終い、十分だ────笑おうよ。笑ってユーカリ食べようよ』
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『笑って始めよう、笑いながら進めよう────夢を見るための準備、二人で笑って始めよう』
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『笑顔で準備したならば、きっと楽しい夢を見ることが出来るはず。わかるだろ?』
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『もう少しで今日は閉園。お客さんもいなくなって静かになるよ』
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『今日からここは二人の部屋、大きな部屋さ─────』
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────私は気がついた
あの時、夢の中で聞こえていたのはタイチ、タイチの声だ
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温かい心から温かい声
温かい声で膨らむ温かい気持ち
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私はまた帰ってきた
お母さんが、パピーが暮らしたこの家、この部屋に
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私は帰ってきた
いつだって温かい声がそっと聞こえるこの家、この部屋に
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────私は帰ってきた




    

by bon_soir | 2017-09-17 10:52 | 多摩動物公園 | Comments(6)
9月8日
9月8日は金沢動物園で暮らしたコアラ、「ハヤト」が小さな身体で遠く高い空の向こうへ旅に出かけてしまった日
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こちらがこのブログでハヤトのタグが付いた記事です→☆☆☆☆☆
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ワカのポッケを覗く飼育係のお姉さん
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お母さん「ワカ」のポッケから初めて出来てくれた時のこと
一生懸命にしがみつく姿に小さな力強さを感じました

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かわいい体重測定
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少し経って
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大きくなっていくのがとても嬉しい小さなコアラ
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「ハヤト」
名前も決まり楽しい日々
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寝顔もよく見せてくれました
どんなに動かなくてもかわいい顔からとびきりの温かさを感じさせてくれたハヤト
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すぐに後を追ってしまった優しいお母さん、ワカとの思い出
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コアラの親子
ワカとハヤト
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コアラの可愛さ、素晴らしさ
色々なものが溢れ出る姿です
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小さな男の子、ハヤト
1歳と半年にも満たない小さな小さな男の子
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ポッケから出てくるようになって一年にもならない
小さな男の子
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まだまだ本当にこれから
楽しい日々、幸せな毎日はまだまだ本当にこれからというところ
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かわいいコアラ
儚くそっと輝くかわいいコアラ
ハヤトはその一人、短い間に色々なことを伝えてくれたコアラの大切な一人
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9月8日は「ハヤト」が小さな身体で遠く高い空の向こうへ旅に出かけてしまった日
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ヒロキの旅立ち、8月24日からすぐにやって来る
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夏の終わりから秋の始まり
9月8日は小さな男の子を想う日、思い出して涙を浮かべる日
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ワカと一緒に楽しくお話してるかな
ワカと一緒にどこかお散歩してるかな
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9月8日は「ハヤト」が小さな身体で遠く高い空の向こうへ旅に出かけてしまった日


9月8日は小さな男の子を想う日、思い出して涙を浮かべる日





   

by bon_soir | 2017-09-08 12:43 | 金沢動物園 | Comments(10)
ひかりのコアラ
前回(→☆☆☆☆☆)からの続きです


ヒロキさんの声はワライカワセミの小さな子に乗せて私の元へ────
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────夜中まで動物園が終わらない日
その日が来るまで何度か眠り夢を見て、また何度か目を覚ます
その時それが何回目の夢なのかなんて数えたりはしなかった
ただのんびりと、いつもどおりの時間を過ごせば、楽しみにしている瞬間はきっと普通にやって来る
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あの時ヒロキさんから聞いた言葉
“優しい人からのプレゼント”
その言葉を時々呟き、私はのんびりいつものようにお部屋で一人過ごしてた
時々ぼんやり眺める窓の外、セミの声は減った気がするし、雲は軽く空が高い
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「お空の上のみんなもまた高く、距離は少し離れちゃったかな───」
お母さん、お姉ちゃん、ワカちゃんにハヤト
みんなの顔が秋の空にぼんやり浮かぶ
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飼育係のお姉さんが交換してくれるユーカリの美味しさも、やっぱり少しずつ変わっているような気がしていた
きっと夏のユーカリから秋のユーカリへ───
種類は一緒かもしれないけれど、でもどこか少し違う
昨日と今日、そしてきっと今日と明日も同じ日が無いように、色々なことが少しづつ変わっていく
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たった一日、それだけで色々なことが変わっていく
去年と今年、そして今年と来年ならもっともっと違うだろう
「みんなどうしているのかな───」
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いつもそう───考えていること、それはすぐに言葉になった
傍にお母さんが、お姉ちゃんが、そしてワカちゃんやハヤトがいてくれた日々
それをついさっきのことのように思い出す
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思い出はいつも心の中に───
すぐに浮かぶその風景
私が思い出をしまっている場所は奥底の方じゃない
凄く手前に置いてある
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「みんなどうしているのかな───」
また同じことを呟いた
数えていないだけで、きっと何度も何度も呟いているはずだ
でも今、部屋に私は一人
───独り言は誰かに聞かれるわけじゃない
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何度も何度もその時思う言葉を呟いて、思い出したり想像したり───
いつものようにお部屋に一人、暗くなってもお客さんが帰らない日を私はただ待っていた
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夏は長いようでいて振り返れば結構短い
一日一日、本当に短い

“暗くなってもお客さんが帰らない日”

そう───その日はすぐに訪れた
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「あっ───」

コアラの家、廊下で動くたくさんの人影
寝起き、すぐに気がついた私は振り返り、窓の向こう“オセアニア区”をゆっくり眺める
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大きなユーカリの木の陰に隠れ始めた太陽はスピードを徐々に上げ、山の向こうへと足早に沈んでいく
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───暗くなってもお客さんが私を見てる
「今日だ───」
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楽しみにしていた気持ちは大きく急に膨らんで、私の胸や頭をいっぱいにする
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「もう一度、早くもう一度眠らなきゃ───」
私は急いでぎゅっと目を閉じた
ユーカリの葉っぱに埋もれこっくりこっくり、コアラはそっと夢を見る
私はコアラ、眠るのなんて簡単なはずだった


「駄目だ────眠れないよヒロキさん」
今の私は目を閉じているだけのコアラだ────
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お昼に眠りすぎていたせいなのか────

ずっとわくわくしてきた、夢を見るための準備は必ず出来ている
それなのに眠くならない時があることを私は初めて知った
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「眠らなきゃ眠らなきゃ───」
そう思えば思うほど気持ちは焦り、胸がドキドキしてくることがわかる
ヒロキさんは空が暗くなり始めたらまた眠りなさいと言っていた
目が覚めたままでいると“優しい人からのプレゼント”は貰えないのかもしれない
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ドンドン、ドーン
遥か遠くで花火の音が聞こえだし、そして時間が過ぎてまた静か
お客さんもいなくなりいつもの夜へと戻ってしまう
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───暗くなったらまた眠る
私はこの日、その大切なことが出来なかった

チャンスは明日、もう一度
明日一日、最後のチャンス
神様お願い眠らせて
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───そっと始まる夢の中、いつものように私を夢の中へとそっと滑り込まさせて
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────いつもより短く感じた夜は明け、動物園はまた始まった
「おはよう」
飼育係さんの声がする
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私の頭の中は今夜のことでいっぱいだ
考えながら過ごす時間は変に長い
いつもよりも遅く進み、暗くなリはじめを気にするあまり何度も何度も空を見上げてしまう
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「ずっと眠っていたら駄目なのか────」
ふと思ってみたりもしたけれど、きっとそれじゃ駄目なんだ
明るい間に見る夢は、夜から始まる夢とは違う
そういうこと、きっとそんなこと────
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「そろそろだ」
昨日と同じように大きなユーカリの木の陰に隠れ始めた太陽がだんだんと山の向こうへと沈んでいく
どんなに遅く進む時間でも、こうしていつかは時間が過ぎて朝から昼、昼から夕方
短い夕方さっと過ぎて、また必ず夜が来る
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────眠るんだ、暗くなったら眠るんだ

オセアニア区の大きなユーカリ夜風に揺れて優しいリズム
気の早い秋の虫の声は優しい歌を歌うよう

私はそっと目を閉じた

『とっ、とっ、とっ、とっ』
音が聞こえる
『とっ、とっ、とっ、とっ』
どこからするのか静かに音が聞こえてきてる
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誰かの音、誰かが生きてる心臓の音
ポッケの中で聞いていた、あの柔らかくて温かいポッケの中でずっと聞いていた
なんだかとっても懐かしい、優しく包むあの音に私はそっと癒される

「お母さん、ありがとう」

気持ちはすぅっと温か落ちついて、私はすぅっと眠りに落ちる
お母さんの音、私の音、そして聞こえるもう一つの音

そっと広がる夢の中、3つの音が重なり歌う

優しい優しい夢の中
夢の中なら私は自由、私は自由どこまでも────
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開かなかったドアが開く
そう、夢の中なら私は自由────
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夜の動物園を楽しむお客さんの側をすり抜けて、私はオセアニア区を歩いていく

『ドアを開けて大きなユーカリ眺めながらあそこを歩いて、こっち側、それとも向う側───』
ずっと考えていたこと想像ばかりしていたこと
夢の中なら私は自由、今の私はどこでも行ける
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ヒロキさんの家の側
石のヒロキさんに「こんばんは」
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来年は8月24日にきっと来るねと、ちゃんと約束
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『ユイ、君はアフリカ区を抜けていくんだ』と低い声
石のヒロキさんが私に言った
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「一緒に行こうよ」
私はにっこり笑ってそう言い誘う
『いいね』
石のヒロキさんはにやりと笑う
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今、私達は夢の中
夢の中ならみんな自由、楽しいことおもしろいこと、なんでもきっと必ず出来る

────ヒロキさんが言っていた“暗くなったらまた眠る”ということ、それは今の私に自由が必要だってこと
きっと訳があって外には出られなくなっていた
だから眠って夢の中、夢の中から外へ出るということ
そんなこと、ヒロキさんが教えてくれたことってそんなこと
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私達はアフリカ区を抜け、お客さん達が大勢いる場所へと着いた
『向こうを見てごらん。あれが“優しい人からのプレゼント”だ』
石のヒロキさんはそう言いながら指をさす
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私はその指さす先、なかよしトンネルの方へ振り返った
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「わぁ」

そこには優しく歌い楽しそうに踊るコアラ達がいた────
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ひかりのコアラ
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そう、私を待っていたのは“ひかりのコアラ”達────
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“優しい人からのプレゼント”
みんなをここまで連れてきくれた

私の目から涙がぽとりと地面に落ちた
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ひかりのコアラは歌って踊る
リズム刻んで奏でるメロディー
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ひかりのコアラが歌って踊る
夜風に吹かれて不思議な笑顔
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コアラ、コアラ
私達はみんなコアラ
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コアラ、コアラ
一人、二人、三人四人
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十人、百人、一万人
私達はみんな笑顔のひかりのコアラ
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ブッチさんにキリンさん
みんな一緒に踊っているよ
みんな一緒に歌っているよ
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石のヒロキさんが笑って言った
『ユイも一緒に歌ってみなよ、ユイも一緒に踊ってみなよ』
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石のヒロキさんはそう言って、笑い転げて光の中へ
みんなと一緒に歌って踊る
なんだかとっても嬉しそう、なんだかとっても楽しそう
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私も笑って光の中へ
みんなと一緒に歌って踊ってたくさん跳ねる
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───そう、今の私は夢の中
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優しい優しい夢の中
夢の中なら私は自由、私は自由どこまでも────

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ひかるコアラと歌って踊る夢の中
夢の中なら私は自由───
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あの日ヒロキさんが言っていたこと
暗くなったらまた眠るってこと
そこから始まる夢の中
自由で楽しい夢の中
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心配してくれている飼育係さんに気を使わせないで外へ出るため
───自由に歌って踊って笑うため
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優しい優しい夢の中
夢の中なら私は自由、私は自由どこまでも────
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私は歌う、私は踊る、みんなと一緒に笑ってる
ひかりのコアラと一緒に歌う、一緒に踊る
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夢の中なら私は自由
───私達はみんな自由
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夢を見ようよ
夢で会おうよ
お母さん、お姉ちゃん、ワカちゃんハヤト
────世界中のコアラ達
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夢を見ようよ
夢で会おうよ
───夢の中ならみんな自由

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私の目が覚めてしまうその前に
みんな一緒に笑おうよ
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夢の中、醒める前に自然とつぶやく
「ありがとう」
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それは寝言に、そのまま寝言で
「ありがとう」

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ひかりのコアラ、会わせてくれた優しい人
ありがとう
みんなみんな本当に───
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「ありがとう」
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「ポッケの中まで温かいね───」
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※文中の映像作品は「ひかるどうぶつえん2017」に出展された作品、『コアラのグッバイソング』です
こちらから2016年の動画が見られます


     

by bon_soir | 2017-09-05 15:38 | 金沢動物園 | Comments(6)
8月24日に聞こえてきた声
金沢動物園で暮らすコアラ、ユイ
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静かな部屋に一人
今年の夏は静かに一人
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そっと眺めた窓の外
雨が多いと思った日々は過ぎ、夏の終わりにまた夏空光る
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今年も暑い日、8月24日
暑くて暑くてこんな日は、誰もみんな思い出す
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あの庭でそっと微笑むおでこに“シワ模様”
笑顔と優しい声を思い出す
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今年もまた8月24日
悲しい日、寂しさ心の奥底膨らむ日
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でも大切な日
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高い雲は秋の雲
秋の準備は進んでる
ぽろりと一粒涙をこぼせば秋は近づく
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もっと近くに、もっと傍に
8月24日
風さえ吹けば秋はすぐそこ
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───ドアをそっと開けてオセアニア区に出る
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───大きなユーカリの木、何度も何度も見上げて歩く
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───こっち側からにしようか
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───それとも少し静かな向う側
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───部屋で一人過ごす時間、私は色々考える。頭の中に色々な景色や音、風の雰囲気、草の匂い
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───暑くなれば私はいつも考える、あの場所、あのお庭。そこまで歩く私
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───でも
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「駄目だ、今日もやっぱり開いていない───」
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飼育係さんがどんなにちゃんと閉めても私が押せばそっと開く部屋のドア
いつの頃からだろう、どうしてもドアは開かなくなった
オセアニア区へ、動物園のどこかへ、私はお散歩が出来なくなっていた
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あそこを通ってあの場所へ
───石のヒロキさんが待っているあの場所へ
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8月24日───お姉ちゃんと二人、飼育係さんに教えてもらった日
側へ行こうと思っていたのにドアは開かない
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暑くなってからずっと考えていたこと、傍へ行くこと
それを今日するはずだったのに、なんでだろう
───ドアが開かない
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仕方がないから私は窓の向こう、オセアニア区を眺めてまた思う
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「ドアを開けて大きなユーカリ眺めながらあそこを歩いて、こっち側、それとも向う側───」
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「ヒロキさん、ごめんね。なんだか傍にいけないみたい」
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こんな時、お母さんならどうしただろう
こんな時、お姉ちゃんならどうしただろう
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こんな時、私はどうすればいいんだろう
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飼育係さんに聞くわけにはいかない
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───全部内緒のことだから
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私はコアラ
長く眠る
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今日の夢はどんな夢
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飼育係さんとたくさん話す、そんな夢
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いつもよりもたくさん話す、そんな夢
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今日の夢はどんな夢
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オセアニア区をてくてく歩いて大きなユーカリそっと見上げて
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咲き戻したブラシノキの花やっぱり真っ赤
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ほら、石のヒロキさんも笑ってる───
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今日の夢はどんな夢
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ワライカワセミの子供、私の所へ飛んできて
なぜか知ってる声で話す
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「その声は───ヒロキさん?」
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『少し身体を借りたんだ。また空を飛んでみたくって、少しの間、この子に身体を借りたんだ』
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『ユイ、大事なことだ───目を覚まさないでいい、夢の中で僕の話をそのまま聞いてくれないか』
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『ドアが開かなかったこと、外へ出ることができなかったこと───それは少し残念だと思ったかもしれないけれど大切なことなんだ』
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『コアラの神様がユイを大切に思い、しばらくの間ドアを開かなくさせた。そういうことなんだ』
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『飼育係さんに心配かけるわけにもいかないしね』
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『ユイ、わかっているんだろう? ───君にもその理由が、さ』
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『今はそっと、お部屋でそっと過ごすんだ。いいね?』
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『一人で頑張るユイに優しい人からのプレゼントがある。きっと素晴らしい贈り物に違いない───』
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『また夜中まで動物園が終わらない日が来る。今年最後の2回、知っているだろう?』
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『暗くなってもお客さんが帰らなければその日ってことだ。その日が来たら、ユイ───』
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『いつもなら空が暗くなって、コアラ達の目が覚めるころ───ユイ、君はもう一度眠るんだ。大丈夫、プレゼントを楽しみにしていれば夢を見るための準備は出来ている』
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『いつも見る風景から夢は始まり、その中へいつものようにそっと入っていくことが出来るだろう』
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『その夢の中のユイはきっと自由さ。夢の中ならなんでも出来るって信じる気持ちで自由を感じてしまえば後は大丈夫』
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『優しい人が用意してくれたプレゼント、素晴らしい贈り物───その場所まできっと、きっとたどり着くことが出来るだろう』
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『いつもと違うことだからもう一度言うよ。空が暗くなったら眠るんだ。わかったね?───』
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『ユイ、今日は8月24日だ───僕のこと、想ってくれてどうもありがとう』
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『じゃあ、またね』
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───すぐ傍にヒロキさんの顔を見た気がした
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「暗くなったらまた眠る」

夢の中でヒロキさんが言っていたこと、私は忘れないように何度も呟いた
───そう、夢で見たことはすぐに忘れてしまうかもしれないから
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あんなにはっきりと聞こえていたヒロキさんの声
今はもう聞こえない
いつもどおり、静かなお部屋に私一人
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8月24日
外へは出ることが出来なかったけど、私はヒロキさんに会うことが出来たようだ
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“優しい人からのプレゼント”
それはどんな物なんだろう

“優しい人”
それはどんな人なんだろう
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考えていたらまた眠くなってきた
私はコアラだから───
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「ひかりのコアラ」→☆☆☆☆☆へ続く





    

by bon_soir | 2017-09-03 15:40 | 金沢動物園 | Comments(4)
ユイと鳥の巣
金沢動物園で暮らすコアラ、ユイ
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少し賑やかになる予感のコアラのお部屋
静かな夏はもうきっとこれっきり

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コアラは薄暮性
晴れた空、照りつけた庭はちょっと眩しい
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ユイがふと見た窓の外
パンパスグラスの大きな穂がふわりと光る
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そっと一人、夏を過ごすユイの所へ
そっと近づく秋の予感
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まだ今は、うとうとうとうと夏の夢見て
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まだ外は、みんみんみんみんセミの声
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オセアニア区は夏から秋へ
ヒロキとお別れをした日はそっとみんなの所を通り抜け
オセアニア区は夏から秋へ
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あたりは静かに
ゆっくりゆっくり時間は進む
時間は途中で休憩取らないで
あたりは静かにゆっくりゆっくり
ゆっくりゆっくり時間は進む
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「目が覚めた。今日の夢も夏の夢」
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「ピンク色したサルスベリ、まわりではしゃいだコアラ達」
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「今日の夢はそんな夢。静かに始まりそっと目は覚め、静かに終わったそんな夢」
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「夏の動物園はどこか静か。一昨年も去年もそうだったのかは思い出せない」
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『ユイ、登っておいで───ユイ』
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「オセアニア区の大きなユーカリ、風に揺れて小さくて優しい声。私をそっと呼んでいる」
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「少し前に気がついた。目が覚めても私は自由。ユーカリの声聞こえたら私はまだ夢の中にいるようにふわりと自由」
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「外へ繋がるドアを開け、私はそっと外へ出る」
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「大丈夫、誰にも見つからない───一人だけの内緒のお散歩」
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てくてくてくてく
ユイは歩く
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ときおり見上げる夏の空
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目の前通る夏の虫
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てくてくてくてく
夏のお散歩
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てくてくてくてく
ユイは一人で不思議なお散歩
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夢で見たのと同じ色したサルスベリ
いつかみんなで眺めた夏の花
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楽しかったあの日々を思い出してそっと微笑み、涙がぽろり
涙はぽとりと地面に落ちて陽射しで乾く
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ユイをそっと見つめるオセアニア区の大きなユーカリ
ゆっくり静かに見上げたコアラ
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コアラの可愛い女の子
ユイ
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『ほら、登っておいでよ───高く登れば風が気持ちいいい』
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『ほら、登っておいでよ───ユイはコアラ、木に登ることが出来るんだ』
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ユーカリの声聞こえたら、誰もが高く登ることが出来るはず
ユーカリの声聞こえたみんな誰もが高く登ることが出来るはず
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高く登って風に揺れ、高く登って一休み
高く登って景色を眺めて、高く登って夢を見る
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ときどき誰かに話しかけ、ときどき誰かが背中を押して
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みんなは大きなユーカリ登る
みんな、みんなコアラの気持ち
コアラも人も動物達はみんなユーカリ登ってコアラの気持ち
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季節は静かに
ゆっくりゆっくり季節は進む
季節は途中で休憩取らないで
そっと静かにゆっくりゆっくり
ゆっくりゆっくり季節は進む
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「あ、あれだ───」
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「お部屋から眺めていた鳥の巣、誰かの巣」
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「どんな鳥が暮しているんだろう、どんな卵が、どんな雛が、どんなお父さんとお母さんが暮しているんだろう────ずっと思ってた」
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「驚かさないようにそっとそっと。私は登ってそっと近づく」
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「そっとそっと静かにそっと」
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「そっと、そーっと覗かせて────私にそっと覗かせて」
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「誰もいない」
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「そうか、雛は大きくなって巣立った。鳥は大きくなって空を行く。みんなまた新しい世界へ、と────飛んで行ったんだ」
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「少し食べさせて」
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「私は大きなユーカリの木の葉っぱを食べさせてもらう」
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「美味しい葉っぱ。私はコアラ、ユーカリの声を聞いてユーカリの葉っぱを食べて、ユーカリと一緒に眠るんだ」
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「柔らかい、柔らかくてなんだかとっても温かい」
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「誰もいない鳥の巣に私はそっと腰掛ける」
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「大きくなった鳥が巣立って飛んでいったように、私ももう大人────お母さんもお姉ちゃんも、ワカちゃん達ももう傍にはいない」
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───今年もサルスベリのお花が咲いたよ
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「そう呟いた時ぽとりとまた涙がこぼれた」
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「やっぱり一人じゃ寂しいよ────」
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「『また泣いちゃった』────そう呟いたときだった」
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「風が少し強く吹いて、大きなユーカリの木がゆっくり大きく揺れていた」
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「温かい鳥の巣の中、私は一緒に大きく揺れる」
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「────この感じ、なんだかとても懐かしい。懐かしくて優しくて、私の心をふわっとぎゅっと包み込む」
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「お母さん────これはきっとお母さんのポッケの中のあの感じ」
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「お母さんは私をポッケに入れて登ってたんだ。まだ小さな私を連れてオセアニア区の大きなユーカリの木に登ってこうして揺れていたんだ────」
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「お母さんの音が聞こえる、お母さんの声が聞こえる────ポッケの記憶、あのリズムと歌声。何より優しい子守唄。コアラ達の子守唄」
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「寂しい涙は嬉しい涙へ変わっていく。安心してそっと一緒に眠りにつく前の、あの子供の頃の涙へそっと変わる────」
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「大きなユーカリの木に優しく揺られた今の私、温かい鳥の巣の中で眠ります」
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「おやすみなさい、お母さん。おやすみなさいお姉ちゃん」
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「寂しくなったらまたここに、ここで揺られて夢の中────私はは風にそっと揺られて夢の中」
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コアラは風に揺られてそっと眠って夢の中
ユーカリと一緒、風に揺られて思い出すお母さん

────温かくて柔らかい、優しいポッケの記憶と夢の中




   

by bon_soir | 2017-08-15 12:11 | 金沢動物園 | Comments(4)
アークと夏の日、暑い午後

天王寺動物園で暮らすコアラ、アーク
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お昼から夕方へと向かう午後のこと
曇りがちな空なのに、気温は更に高く
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風もなくユーカリの木もあまり揺れない
空気は流れず、アークも時々少し動くだけ
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何かいい香り
どこかからふわりと漂う
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つられてアークは少し下へ
本当に少しだけの移動
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いい香りは美味しそうな香り
アークの目の前こちょこちょ動く、美味しそうなユーカリが鼻をくすぐる
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手を伸ばせばそこにある
美味しいユーカリアークを誘う
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アークはそっと食べた
そっとそっと少しずつ、そっとそっと少し遠慮をするように
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風の無い夏のお昼過ぎ
暑い午後
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ゆっくりゆっくり
ただのんびりゆっくり、夏を越す
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コアラはどんな顔して食べているのかな
アークはどんな顔をしているのかな
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今日は下の方で過ごしてる
みんな見える、全部を見られる
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コアラのこと
どんなふうかをみんなで見られる
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アークが登るユーカリの木
アークが眠るユーカリの木
アークが食べるユーカリの木
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コアラはユーカリと一緒に暮らす
それは何故、それはどうして
そう思うことができればそれでいい
儚く健気に頑張るコアラ、今もどこかで暮らす名も無きコアラ達がいるってことを想像できれば、想うことが出来たなら
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きっとそれでいい
かわいいアークに導かれて何かを想うだけ、きっとそれでいい
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アークは木の上、樹上のコアラ
いろんなことを教えてくれる素敵なコアラ
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“No tree No me”
大切な森
無くしちゃいけない、壊しちゃいけない大切なコアラ達の森
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「雨か────」
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「違う、水をまきに来てくれたんだ」
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「庭が少し涼しくなるのはいいけれど、僕は丸くなってしまう」
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「あまり濡れたくないからね」
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「少し上に行くかな」
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「ここまで登ればいいだろう」
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「快適さ」
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「木の上に登ること、木陰で過ごすことって涼しいんだよ。知ってるかい?」
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「小さな雛だったエミューのジョー君、どこへ行ったか知ってるかい?」
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「ジョー君、君に頼みたいことがある」
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「小さな頃から足が速かった君さ、今ならもっと速く走ることが出来るだろう」
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「そんな君に頼みたいことがある─── 一つだけのお願いさ」
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「すぐにってわけじゃない。君が出来ると思った時、いいよって思った時。その時まで僕はのんびり待ってるよ」
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「僕はいつまでも待っている、ここでいつものようにのんびりさ」
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「ジョー君、僕は君を待っている。ここで僕は待っている。いつまでもいつまでも、君をのんびり待っている」
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「こうして出来る限りの大きな声を出しても届かない」
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「だから僕は待っている。こうしてここで待っている。ずっとずっと待っている」
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「簡単なことさ」
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「誰かを待つこと簡単さ。時間はまだまだずっとある」
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「簡単なことさ」
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「来てくれたのなら眠っていてもわかるよ────きっと目は覚める」
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「夕方近いね。近頃は夕陽になっていくのが結構速い」
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「あくびだってそりゃ出るさ」
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「あくびの終わり」
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「コアラはたくさん眠るのさ」
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風に吹かれて木に揺られ、アークは今日も樹上で過ごす
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さらさらキラキラ
ユーカリの葉っぱが木陰を作る
世界中のみんながそう
コアラはユーカリと一緒に暮らしてる
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今日もアーク、今日もどこかでコアラ達
暑い日寒い日、お花の季節
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コアラは季節を感じて微笑む
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コアラは木の上、ユーカリの
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コアラは木の上、揺られ微笑み、そして泣く
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by bon_soir | 2017-07-31 14:30 | 天王寺動物園 | Comments(4)