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長い航海その間、ただ伝えたいこと
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、ワリ
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アマゾンセンターの部屋で一人のんびり
そんな暮しでもうどのくらい
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ずっと一緒だったかわいい娘、ビワをオーストラリアへ送り出してもうどのくらい
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ずっとずっと、これからもずっと
どのくらいかはわからない
誰もわからない、きっとワリにもわからない
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“長い航海”
どれだけ続くか、後どのくらいかなんてわからない
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きっとまだまだ続く
どれだけ続くか、後どのくらいかなんて神様にもきっとわからない
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「ワリ」という名前
現地の言葉で“長い航海”
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それは遥か遠くから日本への旅、距離のこと
それは元気でずっと長生きしている、時間のこと
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“長い航海”
文字通り
ワリという素敵な名前
それはキノボリカンガルーのワリのため
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────ワリのため
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眺めている間、会っている間
いつも静かな穏やかな
そんなワリ
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いつもの念入り毛づくろい
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それはきっと昔から
それはきっとこれからずっと
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体調崩して少し食欲無くなって
必死の思いで治療を越えた
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“長い航海”
まだ終わりじゃない、終わりたくない
ワリの気持ち、強い気持ち
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小さな身体、儚い強さ
そんなワリの強い強い、強い気持ち
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世界最高齢
それは本当に凄いこと
強い気持ちと傍で支える強い心
色々な優しさで────
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────それできっと世界最高齢
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でも本当はそれが一番大切なことじゃない
ワリが望んだわけじゃない
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────儚く健気にワリ、そんなことで威張らない
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ただ毎日毎日
そっとのんびり頑張って
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ただ一日一日と
大好きな空と風景、そして夢
楽しく眺めて見てきただけ
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ただそれだけ、ワリの気持ち
きっとそんな、そんなこと
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────ワリ

ワリに訊く────
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ワリがただ、ただ伝えたいのは
ただそっと、ただそっと伝えたいのは
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ワリがただ、ただ伝えたいのは
ただそっと、ただそっと伝えたいのは
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────どんなこと
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ただ伝えたいのはどんなこと
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────ワリからただ伝わるのはどんなこと
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会いに行って傍へ行って
そっと眺めてそっと耳を傾けて────その時

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ワリがただ、ただ伝えたいのは
ただそっと、ただそっと伝えたいのは
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ワリの台はいつもぽかぽか陽が当たる
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台はすぐ側
伝わるよ、ガラス一枚なんでもない
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ワリは今、何してるのかな何見てるかな
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何想っているのかな
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そっと眠っているかもね
夢の中で笑っているかもね
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お気に入りのワリの台
日向ぼっこで気持ちよく
そっと眠っているかもね、そっと笑っているかもね
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会いに行って傍へ行って
そっと眺めてそっと耳を傾けて────その時
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ワリがただ、ただ伝えたいのは
ただそっと、ただそっと伝えたいのは
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ただ伝えたいのは
会いに来てくれたみんなに
ただ伝えたいのは
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“長い航海”の中、途中でそっと
ただそっと
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ただ伝えたいのは
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「今日も青空きれいだよ、今日も星空きれいだよ」
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ワリがただ伝えたいのは
そういうことかもしれない
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by bon_soir | 2017-10-12 07:00 | ズーラシア | Comments(2)
ガイドのモアラと
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、モアラ
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気持ちがいい風そっと吹く
秋の風、今日はそっと、そっと吹く
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お昼寝してもきっと気分がいいはずなのに、モアラはほとんど寝ないでぴょんぴょんぴょんぴょん
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駆け回る
疲れ知らずに
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一人何かを探すように
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見上げた曇り空の静かな灰色
一面グレー
形は無い
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今日の空には形が無い
日除けのタープが無くなって今、空はこんなに広いのに
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今日の空に形が無い
ただ聞こえてくる声、その声に期待を寄せた
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タニと交代交代
もう何度も何度もこの時間に聞いた声
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「何処だ─────」
何処で待つのがいいんだろう、モアラは考える
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考え考え
それは重ねて重ねて
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今年の秋の思い出とここで暮らす経験を一つ重ねて二つ重ねて
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それはいく重に重なり厚くなる
モアラの頭、心の中に厚くなる

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誰もがみんな温かいもの積み重ね、重ねて重ねて
いつのまにか優しい気持ち、愛情が
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つま先から頭のてっぺん、両手両足身体の隅々
満ちていく
満ちて満ちて溢れ出す
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声が近づきすぐ傍で
時間、時間はいつも何かを連れてやって来る
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この時、時間が連れてきたのは優しい笑顔と美味しい物────
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モアラはまだまだ子供
嬉しくて楽しくて
慌てて焦り、夢中で思い出重ねてく
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予定よりひとつ下
ひとつ下に到着
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そんなモアラ
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インゲンだ
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どうやって食べるかな、どんな顔して食べるかな
みんなが見てる
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かわいいモアラをみんなが見てる
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美味しいね
ぽりっと食べて美味しいね
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しっかり持つ手
ぎゅっと握ったキノボリカンガルーのまあるい手
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爪はあるけどきっとどんなものでも優しく優しく
優しくぎゅっと
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優しくぎゅっと掴む
キノボリカンガルーのまあるい手
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インゲンほとんど食べ終わる
いつの間にか手の中なにも無くなって、次、次と気持ちが先に
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ニンジンだ
オレンジ色したニンジンだ
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咥えて、手に持ち替えて
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あっ
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大丈夫
お芋だよ
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時間は進む
立ち止まることはできず、そっと進む、早く進む
楽しさ連れてやってきて何かを残して次へ次へと
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ガイドのお話は進んでいく
モアラ、まだ食べ足りない
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身体を大きくするために
会いに来てくれたみんな、優しい飼育係さんを笑顔にするために
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ブロッコリーは大切で
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両手でぎゅっと
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両手でぎゅっと
一度つかまえた
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美味しいね
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秋の風に吹かれて食べたブロッコリー
この緑色の記憶はきっと色あせない
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ゆっくりゆっくり
ゆっくり食べる
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ゆっくりゆっくり
ゆっくり食べる
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キノボリカンガルーは尻尾が長い
そう、バランスとるため尻尾が長い
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もう箱の中には何も無い
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一つ上に行って食べよう
持ってきてくれたものがまだある
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きっとこれも好きなもの
タニも好きな、好きなもの
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そう、
トコロ
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美味しい葉っぱ
とても、とても美味し葉っぱ
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夢中なモアラ
ガイドのお話、そろそろお終いあと少し
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キノボリカンガルー
日本でここだけ、ズーラシアだけ
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でもそれが魅力ってわけじゃない
ただかわいくて、儚く健気に生きていて
眺めていればきっと感じる野生のロマン
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こんな風に、どんな風に
どこかで今日も生きている
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みんな一人で生きている
想う、感じる
もっともっと好きになる
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さっき落としたニンジンを渡して今日のガイドはこれでお終い
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寒くなる前
きっと今がいい季節
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日向が気持ちいい
そんな季節に移り変わる
日向ぼっこが気持ちいい
そんな季節が滲み一面染まりだす
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「本当はさ、僕もアマゾンセンターに行きたいんだ」
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「ワリさんのお話しを僕は聞きに行きたいんだ」
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「ワリさん、きっと知っている。色々なこと、どんなことでも知っている」
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「僕は僕で話を聞いて、僕は僕でまた考える」
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「まだまだ知らないことばかりだからね」
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「キノボリカンガルーの神様、僕をアマゾンセンターに連れてってくれよ」
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「少しの時間でいい、動物園に誰も居ない間だけでいい。ワリさんと話をするのさ」
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「ワリさんと話に聞くビワさんが僕等をここで会わせてくれたんだ。僕等がここで出会うこと、きっとそれも長い航海の途中の出来事だったんだろう」
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「ワリさんの長い、長い航海はまだまだずっと続くのさ」
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「いつもの様にここを抜けたら────アマゾンセンターならいいのに、ね」
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by bon_soir | 2017-10-09 14:13 | ズーラシア | Comments(4)
秋の美味しい顔
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、モアラ
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朝一番のキノボリカンガルーの庭
置いてもらいたての美味しそうな朝ごはん
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何から食べるか
少し悩んだ涼しい朝
秋の朝
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ヤナギの葉っぱが
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美味しかった
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と、こんな顔
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美味しい顔
幸せな顔
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秋の静かな朝にモアラが立てる音
美味しく食べてる幸せの音
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これもこれもと、朝ごはん
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ヤナギ、ちょっとお気に入り
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美味しい物を食べる時
幸せ感じて夢中になって笑う時
カッコなんてつけないよ
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カッコなんてつけないよ
それでいいよ、それがいいよ
カッコつける必要ないんだよ
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一日一日、時間は短くすぐに通り過ぎてまた明日
また来月、また来年
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カッコつけてる時間はない
今を楽しく幸せに
動物達はとにかく今を大切に
大切に生きている
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美味しく食べて季節を過ごす
夏の日差し遮るタープはもう無くなった
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見上げた先には秋の空
曇っていても青空広がっていても
高くて軽い雲、何個も何個も浮かんでいても
それは待っていた季節のどこまでも広がる大きな空
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今度はどんどん寒くなる
それまでのいい季節。短い季節
今そんな秋の中
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朝は夢中で食べて幸せ
静かな、まだ静かな秋の朝
ずっよ聞こえているのは食べる音
モアラが美味しく食べる音
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────朝、僕はタニに話しかけたんだ
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なんでだろう、タニは僕のことを叩くんだ
痛くは無いけどね
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僕はもう子供じゃない
でも大人でも無いのかもしれない
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そんなことをふと考えた今朝の僕さ
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もっと食べて大きくなろう
タニも飼育係さんもびっくりするくらい大きくて、凄いキノボリカンガルーに僕はなろう
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ワリさんが僕等を日本へ呼んでくれたんだ
僕等はこのままここで暮して、幸せに笑っていこう
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もちろん、美味しい物をいっぱい食べながらね
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僕は大きくなっていく
食べて食べて、僕は大きくなっていく
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僕は男のキノボリカンガルーだ
もっともっと大きくなっていく
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秋の高い空に手が、
手がそっととどくように大きくなりたいんだ
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そんな僕の気持ち、あなたはわかってくれるかい?
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モアラは地面を跳ねていく
地面を眺めてふと思う
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生えてる草ももう秋の草
時間は立ち止まらないと草の香りを嗅いで思う
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春の草はいつのまにか夏の草に
夏の草はいつのまにか秋の草に
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夏の虫の声、秋の虫の声
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見上げたお客さん達
秋の装い
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モアラは跳ねる
跳ねていくカンガルージャンプ
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その一瞬だけ季節の流れを追い越すように
その一瞬は誰より速く秋の風に乗るように
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モアラは跳ねる
跳ねていくカンガルージャンプ
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モアラの秋はもう半ば
タニの気持ち、そっとつかまえろ
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by bon_soir | 2017-10-05 11:34 | ズーラシア | Comments(2)
タニ、始まる秋の日々とガイド
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、タニ
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暑い夏はもう終わり
これからどんどん空は高く青く、吹く風は軽く隣を通り過ぎる
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まだ外れない日除けのタープ
隙間、タニとモアラは大好き
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雨が降れば聞こえてくる音
ポツポツポツポツ
空は少し狭くなったけれど、楽しい音で雨の日だって好きになる
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タニ、一人静かに思うこと
ぼんやりぼんやり考えてしまうこと
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それはアマゾンセンターで暮らす大好きなワリのこと
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飼育係さんのお話しを少し聞いてしまったタニが思うワリのこと
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「ワリさん、大丈夫かな───」
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「ご飯、食べないと駄目だよ」
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「日本のこと、季節のこと、教えてくれたのはワリさん───優しいおばあちゃん、ワリさん」
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「ワリさんは凄いおばあちゃん、自慢のおばあちゃんなんだ」
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「会いたいな、ワリさんに────」
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「ご飯は大切。ワリさん、今何が食べたいの?わかれば私が採ってきてあげるよ────」
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「尻尾、かゆいね」
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「ワリさん、秋になったよ。ワリさん、冬が来るよ」
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「これからがワリさんの大好きな日向ぼっこの季節だよ────」
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「ワリさん、何が食べたいの? 私が採ってくるよ、私が届けるよ」
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「きっと美味しい物がたくさんあるよ────秋だから、ね」
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「カンガルーも跳ねていく。秋の風、みんな大好き」
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「私はモアラの気配を感じてちょっと覗く」
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「モアラー!」
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雨降りそうで暗い空
こんな日でも動物園はもう秋の日々
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まだ少し暑い日時々あるけれど、冬に向かって少しずつ
少しずつ進みだした秋の日々
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のんびりのんびり
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のんびりゆっくり進んでいくのは動物時間

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『────動物が動かないよ』
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────見てごらん、動いているよ
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────ゆっくりとした動物時間の中でちゃんと動いているよ
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────のんびりのんびり暮らしているよ
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タニ
耳を傾けてそっと聞いているのは飼育係のお姉さんの声
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もうすぐ始まるガイド
ガイドの準備をしている音も聞く
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始まるよ
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急げ急げ
始まるよ
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焦りすぎた
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大丈夫
いつもどおり、のんびりゆっくりでも大丈夫
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ゆっくり登って上に行く
よく見える場所、テラスに上がる
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秋のガイド
キノボリカンガルーの楽しいガイド
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始まるよ
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何を教えてくれるかな
何を話してくれるかな
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みんな、キノボリカンガルーを好きになってくれるかな
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今日のおやつはなんだろうね
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ニンジン
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ニンジン美味しく食べたかな
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インゲン
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インゲン美味しく食べたかな
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次は何かな
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ブロッコリー
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落としちゃったね
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大好きなのに落としちゃったね
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後で拾ってくれるよ
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覗きすぎ
かわいいタニ
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まだあるよ
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お芋に
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それはなんだろう
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キャベツかな
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後は何かな
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小松菜だ
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美味しいね!
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「もう無いの?」
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もう無いよ
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「もう無いの?」
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もう無いよ
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後は枝葉
主食、大切な食べ物───枝葉
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クワかな
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美味しいね!
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ブロッコリーも拾ってくれた
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今度は落とさないように両手でしっかり
美味しいね!
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「───こんなに美味しい秋なのに、ワリさん少し元気ない」
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「ワリさんのお話し、楽しくて優しくて───オーストラリアから引っ越した私をすぐ笑顔にしてくれた」
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「ワリさん、何が食べたいの?」
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「ワリさん、私が採ってくるよ」
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「秋だよ、ワリさん」
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「ワリさん、何が食べたいの?」
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「採ってくるよ、ワリさんが食べたい何か、採ってくるよ、私が採ってくるよ」





    

by bon_soir | 2017-09-09 15:30 | ズーラシア | Comments(4)
日本の夏に慣れたかな
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、タニ
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雨降りだったり凄く暑かったり
タニにとって日本の夏はきっと辛い
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時々はおてんばだけど、ゆっくりしている時は本当に静か
それはきっと暑いからということだけじゃない
────タニが優しい大人になったから
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目の前そっと垂れ下がる、おやつの柳
ちょこちょこっとのんびり食べる
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かわいい手でそっと掴んでゆっくり食べる
夏の陽射しはタープで遮り、風だけ感じてゆっくりゆっくり

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何かの葉っぱも少し食べた
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尻尾をくるり
大好きな毛づくろい
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毛づくろいもゆっくり丁寧、焦らないでのんびりのんびり
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みんなが見てるよ
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暑くて暑くてしかたのない時、物思う
動き回らないでも物思えば出来ること
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それは夢を見るための準備
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眠くなる
準備が出来たら眠くなる
ぐっすり眠って夢が見たい
なんだか不思議で楽しい夢を見たい
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春には春の、夏には夏の
時々モアラの夢が見たい
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強い陽射し、雨降り暑くてちょっと辛い
日本の夏を越えるため、毎日毎日鮮やかふわっと素敵な景色を駆けて登る
そんな楽しい夢を見たい
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ワリに教えてもらった過ごし方
夏のモアラに教えて微笑む
アマゾンセンター、ワリと一緒に過ごした毎日、日本で暮らすキノボリカンガルーの大切な日々
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見上げた空はもう高い
夏は過ぎて秋になる
今、季節が滲んで混ざる
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陽射しを遮るタープがとれて、その時広がる空は
雲が軽く、空押し上げて、青さ優しく、ぐんと広い
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きっとそんな秋の空
トンボがすーっと飛んでいく
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夏に慣れて今はただ
ただ秋が滲み出すのを眺めてる
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そんなタニ
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by bon_soir | 2017-08-25 11:38 | ズーラシア | Comments(0)
モアラも少し夏らしく
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、モアラ
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晴れていても曇っていても
朝でも昼でも、夜になっても
暑い夏はまだまだ続く
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タニと交代で庭で過ごすようになったモアラ
大はしゃぎしていたモアラも少しペースダウン
ただ何かを見つめている時間が増えてくる、きっと余計なことまで考える時間も増えてくる
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毎日毎日暑い日々
毎日毎日夏の雲

時々夕立
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庭の草ももうすっかり夏の草ばかり
春の面影無くなった
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どれを食べても夏の味
地面が一番夏の香り
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見上げた空に夏の雲
遠くでむくむく、厚くて低い夏の雲
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モアラも少しゆっくりと
余計なことをしないで少しゆっくりと
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聞こえてくるのは風の音
通り抜けてく風の音
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夏、動物達が少し休むとき
夏、動物園も少し静かなとき

休んで静か
それがいい、きっといい
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ゆっくりゆっくり
キノボリカンガルー
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あまり動かずゆっくりゆっくり
それもキノボリカンガルー
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目の前で過ごしているのがキノボリカンガルー
会って眺めて、それで全部
本当の動物達
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「例えばさ、『地面の草を食べようか────』なんて思うだろ」
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「でもなんだか面倒だなんて思うんだ」
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「動物園が終わってさ、部屋に戻れば食べ物いっぱいあるわけさ。用意してくれているからね」
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「暑くてたまらない毎日で横着さ、休むという言葉の横着さ」
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「それでいいって思うけど、後から少し後悔したりもするんだよ」
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「日が沈んで暗くなる。また一日が終わるってさ、今日も何も見つけられないで終わるってさ、ふと思って少し寂しい気持ちになるんだよ」
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「さっきの話、ご飯の話。用意してくれているもの美味しいよ。でもね、地面に伸びる草を探して食べる。それが一番季節を感じるはずなんだ」
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「春には春の、夏には夏の────そういうことさ」
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「ただ眺めているだけだと感じることは少し少ない」
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「寂しいね────一年なんてすぐに過ぎてしまうのに」
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「心に身体が追いつかない、そんな夏さ。気持ちを抑える気持ちがある、そんな夏さ」
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「自然の風じゃないけれど、いつも涼しく風が吹く場所。気がつけば僕はここにいる」
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「夏だから、ってさ。これでいいのか悪いのか────僕の全力ってこれくらいなものなのか」
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「暑い日は心に身体が追いつかない、気持ちを抑える気持ちがある────自然なこと、当たり前のこと」
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「夏の少し寂しいところ。しかたないんだけれどね」
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思いつく限り、出来る限り
やりきれたと思う日は少し満足
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たくさんのものを見て、たくさんのことに気がついたと思う日はとても満足
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わかっていても難しい
時間なんて短いものだとわかっていても難しい
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夏の話をモアラはタニに、夏の話をタニからモアラに
たくさんできたらそれでいい、二人で笑えばそれでいい
ふと涼しい日、涼しい時間もきっとある
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「大きい雲が太陽さえぎった。夕暮れ近く風もなんだか気持ちがいい」
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「少し庭の様子を見て回ろう」
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「出来る限り、落ちついて、ね」
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「後悔だけはしないように、ね」





   
     

by bon_soir | 2017-07-19 13:56 | ズーラシア | Comments(2)
見上げてキラキラ
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、ワリ
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アマゾンセンター展示場
しっかりと冷房は効き夏からワリを守ってる
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世界一のおばあちゃんキノボリカンガルー、ワリの暮らしを助けてる
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お気入りの台の上
ご飯を食べたり、うとうとぐっすり眠ったり
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ワリはそっと暮らしてる
かわいいおばあちゃんが今年も夏をそっと駆けていく
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ワリの手
小さなかわいい手
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見上げたワリの目はキラキラっと輝いて
一度キラキラ見えたワリの目は、そのままずっと輝いて
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ワリの目キラキラ
見上げてキラキラ
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ワリの目キラキラ
そのままキラキラ
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夏はキラキラ
ワリもキラキラ
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何見てキラキラ
何がキラキラ
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元気にキラキラ
今日もキラキラ
変わらずキラキラ
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キラキラキラキラ
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いつもキラキラキラキラ
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夏もキラキラキラキラ
キラキラキラキラ
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ワリの手
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ワリの影
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そっとそっと
そっと暮らすキノボリカンガルー
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ワリにはアマゾンセンターで
ワリにアマゾンセンターで
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そっと会わないと
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by bon_soir | 2017-07-17 11:59 | ズーラシア | Comments(2)
モアラと動物達の夏の始まり
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、モアラ
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ぱらぱらと雨が降る時間(→☆☆☆☆☆)を過ごしたモアラ
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気がつけば雨は上がり、続いているのは曇り空
ただただ重たい雲、変にまとわりついた空気
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そしてもう誰もいないような静かな動物園には、そっと速度を少し落とした時間
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閉園まであと少しの動物園を駆け巡り、何かを考え続けたモアラ
急な食欲、美味しいものを探す時間
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暗くなっていくはずなのに、さっきよりも少し明るい西の空
きっと今日はもう雨は降らない
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地面を跳ねる、大丈夫
野草を食べに行く、大丈夫
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もう大丈夫
夏の動物達の時間がやって来た
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雨上がりの庭には土と葉の香り
モアラをくすぐる雨上がり
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何かを探して、キノボリカンガルー
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何かを追いかけキノボリカンガルー
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明日の天気はどんなだろう
明日の気温はどんなだろう
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明日の朝はどんなだろう
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明日は今頃どんなだろう
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真夏の庭はどんなだろう────
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美味しい葉っぱ、そうでもない葉っぱ
色々な葉っぱ
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食べて探して選び続けて
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ときおり見上げた空の明るさ
もうすぐ部屋へ戻る時間
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戻ればタニの顔を見られる
戻ればタニに声をかけられる

「今日も暑かったんだ────」と、話が始まる
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なんでもない話、なんでもない時間
なんでもなくはないタニとモアラ、二人の笑顔
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見たことない草、日本の夏の草
「あれが美味しいよ」
タニは笑顔で教えてくれる、タニはモアラの傍にいる
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一年と少し前、一人で日本へ来たモアラ
庭の景色、初めてのことばかり
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タニから聞いていたことも、飼育係さんから聞いていたことも
自分の目で見て、自分の手で触って
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自分で聞いて、自分で嗅いでそっとつぶやく
「なるほど」
つぶやくたびに覚えて進む
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まだ知らないことばかり
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何度も何度も見上げてみれば、空の色も違って見えた
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いつも食べてる庭の木も、季節が進めば少し違う味がした
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この前の味、春の味
掴んで齧って今日の味、夏の味
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どんなことでもタニに言おう、どんなことでもタニと話そう
笑って夏を過ごしていこう
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「厳しい」っていう日本の夏を、二人笑って過ごしていこう
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モアラは思う
今日は雨空、曇り空
静かな静かな動物園
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「そうさ、たまにはこんな日あってもいい────」
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「そろそろ時間かな」
出口へ急ぐ僕さ
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「あぁ、そうだ………」
ここを昇ると行き止まり
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「回り道しないと駄目だ────」
何度も同じことばかりしてしまう
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そんな僕
そんな僕なのさ
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「迎えにはまだ来てくれないようだ」
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「時間がもったいない。眠くないなら僕は色々と見て回ろう」
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「でもどんなに色々見て回っても、時間を使っていったとしても、世の中全部を見ることは出来ないよ」
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「こうして眺めるいつもの景色も、少しずつ少しずつ変わってる」
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「風景は変わっていくんだ。少しずつ、そして時にがらりと、ね」
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「みんなだってそうだろう?何度も会いに来てくれるのってそういうことだろう?」
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「僕達だって変わっていく、少しずつ変わっている────だから何度も会いに、動物園を楽しみに、そういうことだろう?」
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「そうだ、動物園は楽しいよ。暮している僕等がそう言うんだ。間違いない」
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「そっと眺めてよ、そっと会いに来てよ」
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「そのほうが自然な僕等にきっと会える、そのほうが笑顔の僕等にきっと会える」
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「眠っていてもよく見てみなよ。きっと何かが伝わるよ」
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「少しずつ少しずつ、時にがらりと動物園は変わっていく」
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「だから何度も会いに来てくれないか、僕等にそっと会いに来てくれないか」
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「みんな笑顔で僕等に会いに来てくれないか?」
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「これからもっと暑くなる。今は夏の始まりだ────動物達が休んでいたらみんなも休もう。僕等に『動け』だなんて言わないでほしいんだ」
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「動物達が休んでいたらみんなも休もう。動物達と同じ時間をみんなで過ごすってきっとそんなこと」
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「動物達はみんなのんびり、あなたものんびり」
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「それがいいよ、一番いいよ」
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by bon_soir | 2017-07-03 12:02 | ズーラシア | Comments(0)
モアラと雨、ぱらぱらと梅雨の雨
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、モアラ
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タニとモアラ
二人の庭に夏がやって来る
日本の夏がやって来る
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その時期、庭に起こること
それは日よけのタープが張られること
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モアラ
初めてちゃんと見る
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モアラ
初めてタープの陰に
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去年はお部屋にずっといたモアラ
タープの陰の夏
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初めてのそんな夏

「今日も少し雨か」
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「隣のみんなはどうしてるかな」
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「暑いよね。どうせ暑いなら青空のほうがいい」
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「そうは思わないかい?」
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「タニが言っていたんだ。夏は暑くてしかたないから陰を作ってくれるんだ、ってね」
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「それが今ここの上にあるもの」
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「不思議な布さ」
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「飼育係さん達の優しさ、少し大げさな優しささ」
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「これなら強い日差しでもなんとか大丈夫。みんなとここで会えるよ」
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「大きいよね、広いよね。わかってるよ、それだけ飼育係さん達は優しいんだ────」
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「わかってる────僕は飼育係さん達のことが大好きさ」
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「ここから、木の上から空を見上げることが出来ないこと────それは残念だけどしかたない。タニが辛いこと、それは僕にとっても辛いこと」
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「タニが辛そうにしている顔、僕は見たくないのさ」
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「セミの声が聞こえてこなくなる頃には涼しくなるさ、その頃まで我慢なのさ。ははっ、簡単だよ」
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「しとしと雨、こんな日は雨だって防ぐことができる。そんな凄いものなんだ」
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「ご飯が出てる」
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「言いにくいけどそんなに美味しく、ないのかも……」
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「この辺はどうだろう」
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「…………」
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「後で庭の葉、草を食べよう」
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「ぱらぱらぱらぱら音がする。僕のすぐ上、音がする。雨が当たる音がする」
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「下では葉っぱに当たる音がする」
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「晴れてもまた雨ばかり、動物園はここのところずっとこんなお天気だ」
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「今日は
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エミュー達も静かなもんだね」
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「聞こえてくるのは雨の音、布に当たる雨の音」
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「ぱらぱらぱらぱら雨の音、なんだか落ち着く雨の音」
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「速くなったり遅くなったり、大きくなったり小さくなったり────ぱらぱらぱらぱら」
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「僕は音のする方へ、音の近くへ────ぱらぱらぱらぱら」
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「雨の音しか聞こえない、雨の音しか聞こえてこない。そんな静かな動物園」
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「ほら、お客さんが誰もいないのさ」
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「たまには悪くない、たまには雨も悪くない────静かな動物園も悪くない」
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「隙間から上に出れるかな、なんて期待は静かに打ち砕かれたのさ」
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「やっぱり危ないからね」
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「なんだか少し眠いんだ」
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「雨の音ぱらぱらぱらぱら、心地良い────からなのか」
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「眠るのは止めよう。ここにいるとよくわかる」
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「────もう雨は上がるよ」
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「僕達にはわかるんだ、そんなことが、ね」
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「見上げれば空だった。それが今ではこんなふう、夏の間はこんなふう」
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「少し不思議な空間だ」
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「みんなも好きだろう?こういう所はさ」
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「あなたと一緒に遊べたらいいのにね、ここで遊べたらいいのにね」
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「そしたらさ、きっと見る夢一緒だよ、夢の中でも一緒に遊ぶことができるんだ。知ってるかい?」
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「夢を見るための準備、それを一緒にできるからね。きっと同じ夢を見れるのさ。願って眠ればそれでいい」
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「一緒に夢を見ようって、願って眠ればそれでいい。きっと大丈夫」
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「ここから見える、穴から空が見える」
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「後でタニにも教えとこう。それがいい────」
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梅雨の日、雨の日、動物園
人はまばらでなんだか静か
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少し濡れても大丈夫
冷たい雨なわけじゃない
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ぱらぱらぱらぱら、雨の音
動物達の声がときおり聞こえ、時間はゆっくり過ぎていく
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雨の日動物達はのんびりのんびり
いつものんびり、雨の日もっとのんびりのんびり
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そんな動物達の時間に、人も合わせて過ごせばみんなのんびり
のんびりのんびり良いことばかり
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人の時間で過ごしてばかりじゃ見えてこないことがある、きっとある
例えば動物達の暮し
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儚く健気に過ごしてる、動物達のそんな暮し
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次から次へと進むだけでは見えてこないことがある、きっとある
時間が足りないことになっても大丈夫
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また会いにくればいい
また動物達に会いにくればいい
旅に余裕は必要だから
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ぱらぱらぱらぱら、雨はぱらぱら音立てて
ぱらぱらぱらぱら、きょうも時間は過ぎていく
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梅雨明けにはもう少し
ぱらぱらぱらぱら、ぱらぱらぱらぱら、雨が降る
ぱらぱらぱらぱら、ぱらぱらぱらぱら、動物園に雨が降る
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by bon_soir | 2017-06-29 13:00 | ズーラシア | Comments(0)
ワリ、食べているときどんな顔
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルー、ワリ
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ワリはとても素敵なおばあちゃん
ワリは本当にかわいいおばあちゃん
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「飼育下世界最高齢」
それは凄いことだけど、それが大切なことじゃない
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アマゾンセンターのお部屋でいつも待っていてくれること
そのことが嬉しくて、なにより大切なこと
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ワリ、朝ごはん
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晴れて眩しい窓の外
眺めて食べる朝ごはん
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美味しいね
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どうしても笑顔になっちゃうね
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食べる、食べる
ワリは食べる
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美味しく食べる朝ごはん
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食べる、食べる
美味しく食べてどんな顔
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食べて、また食べて
美味しく食べるとどんな顔
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食べるよ、食べるよ
美味しく食べるよ
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美味しく食べるよ朝ごはん
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幸せ、幸せ
ワリの笑顔でみんな幸せ
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幸せ、幸せ
こんな幸せ
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これが幸せ、ワリの幸せ
これは幸せ、伝わる幸せ
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ワリ、食べているときどんな顔
動物達が食べているとき、みんなはどんな顔
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怒っているかな、泣いているかな───笑っているかな
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動物達を眺めている人、笑顔かな───
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みんなの顔は笑顔かな
今、みんなの顔はどんな顔
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こんな風に笑顔かな────
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ゆっくり休もう
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あとはゆっくり休もう
きっと夢の中でも笑顔だよ
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みんな、笑顔だよ




   

by bon_soir | 2017-06-26 08:59 | ズーラシア | Comments(0)