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ヒロキと夏の予感
おやつも無いのにトンネルの先っぽで待っていたヒロキ。
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この日、とても暖かく、また日差しも強い朝でした。

それはかなり進んだ春の、とある一日。
ヒロキは予感します。
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もう少しでまた暑い夏が来てしまうことを。

「やぁ、こんにちは」
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「春が進んでいくね。それは悪いことではないんだ」


「ただ、そのうちまた暑い夏が来てしまう」
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「僕は暑いのが苦手だからね、こればっかりはどうにもできないよ」

「去年、飼育係の皆さんがお部屋に冷房をつけてくれたから、中にいるぶんにはいいんだけどね」
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「僕はまだわからない。今年の夏がいつまで続くのか……まだわからない」
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「セミの声が聞こえて来なくなる。それはお部屋の中でもわかる」


「そうしたら少し外にでて、オセアニア区の空を見上げるんだ」
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「空が高く見える、青の色も濃く見える。それが秋がやってきた合図、僕はそう思う」


「その頃にはコアラのバニラも大きくなっているだろうか」
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「ウメの赤ちゃんも人気者になっているだろうか」


「みんなが元気であって欲しいよ」


「今年は悲しいお知らせばかりだ。嘘のような悲しいお知らせだ」
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「そしてそのことを夢に見てしまう。誰だって悲しい夢は見たくないよね」


「ウォンバットの神様、あなたは今どこにいるんですか?」
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「なにか僕にできることはありませんか?僕は金沢動物園が大好きなんです」


「今まで色々な飼育係さんやお客さんに本当に優しくしてもらえました。なにより嬉しいんです」
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「ウォンバットの神様、僕にできることってなんですか?今しかできないことってなんですか?」


「夏は来るよ、絶対に来るよ。夏が来てしまえば僕は少しお休みだ。秋を待つ、それが僕の夏なんだ」



ヒロキは少し眠そうです。
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あくびの終わりの可愛い顔も、今すぐ夏が来てしまいそうな不安を隠せません。
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何度も何度もあくびをしてしまいます。
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夢を見るための準備はできたのでしょうか。
今日の夢には誰が出てくるのでしょうか。
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夢のなかのヒロキはちゃんと笑っているのでしょうか。


ヒロキの言うとおり、夏になればヒロキはお部屋でお休みです。
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涼しくなるまで怖くてしょうがありません。

ヒロキとお話が出来ればどんなに嬉しいことでしょう。
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ヒロキにかかわる人全員の思いがあれば、きっと1回くらいはお話ができる時が来るでしょう。


不思議なことはすぐそばにきっとあるはずなんです。




 
by bon_soir | 2013-04-27 03:29 | 金沢動物園 | Comments(4)
なかよしなふたり
前回の枝のせ大会のあと、ひといきつく間もなく、キンタロウくんのところに遊びにやってきたカラスさん。
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キンちゃん、フンガフンガとカラスさんにごあいさつしているの図。結構大きな声でフンガフンガ。
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ついでに私にもフンガフンガ。
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どうぶつたちにとって、動物園中を飛び回るカラスさんは大切なおともだち。
動物園で起きているたいていのことは、飼育員さんが教えてくれる前に、カラスさんが教えてくれるのです。
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「キリンのホップくんのあれだけどさ……」カラスさんがおはなしを始めたようですね。
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咳払いのような、ちょっとくぐもったフンガフンガを私に向けたキンちゃん。そろそろ、私はおじゃまかな? 
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どうやらそうみたい。くるりとおしりを向けていつものようにシャイなキンちゃんになってしまいました。
そしてキンちゃんのお部屋に、つつーっと入って行ったカラスさん。
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あっという間に、当たり前のようにキンちゃんの背中にひょいっと飛び乗りました。
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雨上がりのしっとりとした静かなユーラシア区に、キンタロウくんのフンガフンガが響きます。
それはとてもやさしい音色。キンタロウくんとカラスさんの楽しい時間のはじまりのようです。
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ありがとうね、って声をかけたら、肩をすくめたカラスさん。ちょっとだけ憎らしく思いました。
by bon_soir | 2013-04-26 01:57 | 金沢動物園 | Comments(0)
キンタロウくんの楽しい時間
金沢動物園のインドサイのキンタロウくん。私は、いつもキンちゃんて呼んでいます、小さな声だけど。
シャイなのか、タイミングが悪いのか、それともキンちゃんて呼ばれるのが気にくわないのか……
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私が会いに行く時にはいつもこんな様子なのです。(2013年1月撮影)


さて、きのうの雨上がりの日曜の寒い午後のこと。
いつも通りのシャイなキンタロウくんがいるものだと思って会いに行ったところ……
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「えっ? インドサイのツノの正解ってこれだったかしら?」 私の頭を混乱させるキンタロウくん。
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枝を何秒おでこにのせられるか大会の真っ最中な彼。ちょっと面白くなってきたよ! ってオーラが伝わってきます。
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いつもなら、カメラを向けた途端にぷいってするけれど、今回はキンちゃんもできません。
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だって、ぷいっとしたら枝が落っこちちゃうもんね。今までの記録を更新しているのかもしれません。
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ブレることなくいい感じにバランスを保っているキンちゃん。それも得意気です。たくさん写真を撮ったよ、キンちゃん。
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このあとも、1,2分はこうして枝をのせたままでした。
今までも、こうして遊んでいたんだろうなあ。そんな時間に会えてうれしかったです。
ほんの一瞬でも、素敵な瞬間。キンタロウくんも、素敵な夢を見るための方法をちゃんとわかっているようです。
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みんなで大きく笑って喜ぶ時も、こんな風に静かにちょっとニヤニヤする時も、動物園での幸せな時間。
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この日のキンタロウくんの夢はどんな夢だったでしょうか。
ツノのかわりに、木が伸びて来てお花が咲いたよ! なんていう素朴な夢ではないよね……キンちゃん。
by bon_soir | 2013-04-22 20:28 | 金沢動物園 | Comments(2)
バニラが登る大きなユーカリの木
金沢動物園のコアラ、バニラのお母さんのテルちゃん。
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ある日の夕暮れ、動物園の閉園前にテルちゃんはコアラ舎の外をずっと眺めていました。
窓の外に見えるオセアニア区の大きなユーカリの木をずっと眺めていました。


テルちゃんの隣で暮らすバニラはそんなテルちゃんをじっと見ていました。
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「最近のお母さんはいつもそう、夕暮れになるとああして外を眺めている。お父さんが外にいるわけでもないのに」

バニラは少し心配していました。小さかった頃、テルちゃんに一生懸命しがみついていた時の記憶がふと思い出されます。
お母さんの柔らかさ、お母さんの匂いやふわふわのお腹、そしてお母さんのポッケの中の暖かさ。

バニラはまだまだ小さなコアラです。色々考えているうちに眠ってしまいました。
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バニラは楽しい夢を見ていました。お昼に飼育係りさんから聞いたキリンの赤ちゃん、ホップ君の夢です。
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バニラはまだホップ君に会ったことはありません。それでも夢を見ることができました。

さっきまで明るかった夕暮れの空に、気がつけば星が輝きだしていました。
オセアニア区も夜になりました。

バニラはずっと眠っていました。今日もコアラ舎の床をたくさん歩いたバニラは少し疲れていたのです。

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お庭を走るかわいいホップ君のはっきりとした夢を見ているバニラ、眠りながら少し笑っています。

「バニラ、お母さんは出かけてくるね、いい子にしててね」
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眠っているバニラにテルちゃんはそう声をかけていきました。

テルちゃんはコアラ舎のドアをそっと開けて、夜のオセアニア区に出て行きました。
いつもお部屋から眺めていた大きなユーカリの木が月に照らされて、地面に大きな影を作っています。
おなじように大きく伸びたテルちゃんの影はてくてくと歩き、大きなユーカリの木に向かっていきました。


朝が来てバニラは目を覚ましました。ウメがまだ寝ているのが見えます。
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バニラは気がつきました。テルちゃんの姿が見えません。何度も探してもお母さんはコアラ舎の中にはいないのです。

「お母さん、どこにいるの……」

ここのところあまり元気の無かったお母さんのテルちゃんを思い出し、バニラはとても心配になりました。
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「今なら間に合う、早くしないと」
バニラはなにかひらめいたようにそうつぶやき、あたりを見渡しました。

「お母さんはあのユーカリの木を登っていったんだ、きっとそうなんだ」


コアラ舎に飼育係のお姉さんはまだ来ていません。バニラはドアまで足音を立てないように歩き、そっとドアを開けてみました。
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「やっぱり開いてる。お母さんもこのドアを開けて外に出たんだ」


バニラはドアをくぐり、朝日が照らすオセアニア区に出ました。
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いつもお部屋の窓から眺めていた大きなユーカリの木、その大きなユーカリの木が今は目の前に立っていました。
見上げた大きなユーカリの木、そのてっぺんは下からではわかりません。大きなユーカリの木は雲を超えてそびえ立っていたのです。もちろんテルちゃんの姿も見えませんでした。

「お母さんはきっと上のほうまで登っていったんだ、私も登っていかないと」

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バニラは小さな手と足、そのかわいい体で一生懸命に大きなユーカリの木を登り出しました。
それは簡単な事ではありませんでした。でもバニラは登って行きました。大好きなお母さんにもう一度触りたい、その事だけを今は思っていました。

少しずつバニラの姿が上に登っていきます。
今日は早起きをしていたウォンバットのヒロキがバニラに気がつき、そっとつぶやきました。
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「ウォンバットは木には登れない。だからここから君を応援することしかできないよ」

ヒロキはいつもの優しいまなざしでバニラを見つめています。
「女の子にも冒険がある。それはかわいい冒険のようだね」


初めは緊張していたバニラも、しばらくして少し余裕が出て来ました。もうずいぶん上まで登ってきていました。気持ちのいい風がバニラの横を通り抜けていきます。
バニラは大きなユーカリの木の上から辺りを見渡してみました。

初めに見えてきたのは、オグロワラビーさんたちです。
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「はじめまして、私がコアラのバニラです。気持ちよさそうなお庭ですね」
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バニラは楽しくてしかたなくなって来ました。産まれて初めて見る金沢動物園の景色がバニラの瞳を輝かせてくれます。

遠くにローランドアノアのサツキさんが見えます。
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その近くには綺麗なチューリップのお花が見えて来ました。ほのぼの広場です。
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「きっとあなたがポポちゃんね、本当にまんまるなのね」
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ほのぼの広場の新しいお友達の子羊達も見えました。
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「あなた達はふわふわ。かわいいね。そこから私が見えますか?」
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最高の景色、金沢動物園の景色はバニラの頭の中にしっかりと残っていきます。
バニラは今日も夢を見るための準備をしていきます。


飼育係のお姉さんがコアラ舎に着いた時、コアラ舎にはウメしかいません。
もちろんオセアニア区は大騒ぎです。
ヒロキだけが知っています。バニラがどこにいるのかを。そしてまた小さな声でつぶやきます。

「バニラは大丈夫、今日はいいお天気だからね」

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少し休んだバニラはまた大きなユーカリの木を登り出しました。
お母さんのテルちゃんを探す事はもちろん、もっと遠くまで金沢動物園の景色を眺めたくなってきていました。

バニラは小さな手と足、そのかわいい体でどんどん上に登っていきます。バニラは自分に少し自身が出てきていました。
青空が広がる金沢動物園、次に見えてきたのはアメリカ区です。
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オオツノヒツジさんが山のてっぺんで休んでいます。
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そしてプロングホーンのブッチ君がのんびりとお散歩をしています。
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「みなさんこんにちは。私はコアラのバニラです。お母さんと暮らしています」

八重桜のピンク色を見ました。バニラにとっては初めて見る桜のピンク色です。
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そしてバニラは気がつきました。キリンのホップ君です。
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「はじめまして。コアラのバニラです。あなたのことは昨日夢で見たの」
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「あなたの首なら景色が遠くまで見えそうですね。少しうらやましい。楽しいことをいっぱい見れる」

お母さんのミルクに気がついたバニラ。
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ふと自分のお母さんのテルちゃんを思い出しました。

「お母さんはどこまで登っていっちゃったんだろう……」
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ふと上を見上げたバニラは、上からテルちゃんが降りてくるのに気がつきました。

「お母さん!やっぱりこのユーカリの木に登っていたんだね。心配でここまできたの」
バニラの声でびっくりしたテルちゃんは、泣きだしてしまいました。
そしてバニラに話しだしました。
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「バニラ、ごめんね。お母さんはなんだか寂しくなっちゃって、お母さんのお母さん、バニラにとってはおばあちゃんに会いに行こうと思ってたの」

テルちゃんのお母さん、ワミンダさんです。まだテルちゃんが小さかった頃、残念ながら亡くなってしまっていました。

「おばあちゃんはこの大きなユーカリの木にいるの?」
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バニラはテルちゃんに訊きました。

「わからない、けどきっと空の上から見守ってくれているってずっと思ってた。だからこの大きなユーカリの木に登っていけば会えるって考えてたの」
テルちゃんは少し微笑みながらお話をします。
「途中でお母さんの声が聞こえてきた。まだまだこっちに来ちゃ駄目だって。これからもずっと金沢動物園でバニラや飼育係のお姉さんと楽しく暮らさないと駄目なんだって」

バニラにもテルちゃんの言っていることがわかりました。
「そうだよ、お母さん。お母さんがいなくなっちゃったら私だってさみしい。どうしていいかわからなくなっちゃう」

「ごめんね、もうこんな事考えないから。バニラに私と同じさみしい、悲しい思いをさせちゃいけないね」

バニラはお母さんに触りました。久しぶりに触るお母さんのふわふわした体です。
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お母さんの体は変わらなく暖かいと思いました。


「帰ろう、お母さん」


「帰ろうね、バニラ。みんなが待ってる。でもあんなに小さかったバニラが、こんなに高くまでユーカリの木に登れるようになったんだね。それだけでも嬉しい」

バニラは少し微笑んで言いました。
「お母さん、金沢動物園は広いね。たくさんのお友達も暮らしている。今度は二人で一緒に登ってこようね、この大きなユーカリの木に」

バニラは少しお姉さんになれたようです。色々な事を経験してみんな少しずつ大きくなっていきます。

「今度産まれたウメさんの赤ちゃんにも教えてあげなくっちゃ。ね、お母さん」




  
by bon_soir | 2013-04-20 16:18 | 金沢動物園 | Comments(4)
ヒロキとおしゃべりな綿毛さんたち
いつもの場所でお水をいただいたヒロキ。今日はここからお庭へと帰りました。
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おなかの下で「わぁ」と小さなささやきがきこえます。
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「わーい、とうとうお別れだね」「バイバイ、またね」「みんな元気でね」「またどこかで会えるよね」
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かわいい声の持ち主たちとお別れなんて、ヒロキはとても寂しくて悲しくなりました。
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「……ぼくのせいだね、ごめんねタンポポの綿毛さんたち」
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「ほら、こんなにかわいかったんだ。かわいいからそーっとしてたのに。うっかり彼らの上を歩いてしまった……」
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ヒロキがお庭を散歩するときに小さな風が起こります。歩くたびにふわふわっと、小さな綿毛たちが空へ舞い上がるのです。
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「いつかは風に乗って飛んで行くのです。気まぐれな風さんよりも、ヒロキさんの風で旅立ちたいとみんな思ってますよ」
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背の高い草さんが教えてくれました。
それでも体がもう少しスリムなほうが、お庭をスマートに歩けるはずだとヒロキは思います。
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そのことを思うと、さっきまではおいしくてたまらなかったおやつの笹も、今はおいしいとは思えなくなってきました。



大きな風がやってきて、また綿毛さんたちが舞い上がります。
「こうして旅立つ綿毛さんも、いちばんはじめは同じように風にのってぼくの庭にやってきてくれた」
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「みんなかわいいタンポポのお花を咲かせてくれたんだ。本当にありがとう」
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綿毛になったかわいいみんな、今度はどんなお庭に飛んで行くのでしょう。ヒロキは見送りながら考えます。
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大きな大きな流れにのった子は、こんなにかわいいペンペン草や
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タンポポと同じくらいきれいな黄色い花が咲いて
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ヒロキと同じくらいかわいいウォンバットがいる
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多摩のチューバッカのお庭に飛んで行く子もいるかもしれません。
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「いってらっしゃい、かわいい綿毛さん。みんな楽しい春を過ごせますように」


少し元気が出てきたヒロキ。いつものとおり坂道のお散歩をはじめます。
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あれ、聞き覚えのあるかわいい声がしています。クスクス笑い合う、幸せなちいさな声たち。
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「やっぱりここに戻ってきちゃった」「居心地がとってもいいんだ」「またヒロキさんに会えるね」
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いったん空に舞い上がった綿毛さんたちが、そのままお庭に落下してきた様子です。
「やあかわいい子たち。また会えてぼくもうれしいよ」
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「今度は、もっともっと長くお庭にいてほしいから、ぼくも気をつけなきゃね」
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ヒロキの春のお庭は、楽しいおしゃべりでとってもにぎやか。
夏になると、ヒロキはお庭に出てこれなくなってしまいます。だからこそ、ヒロキはみんなとお話したいのです。
応援してくれるお客さんたちも。おとなりのカンガルーさんも。大好きな飼育員のおねえさんたちとも。そして私も。
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「ぼくは春が大好きなんだ!」
寂しいことやちょっと悲しいことも吹き飛ばしてくれる風が、金沢動物園を吹き抜けていきます。
ヒロキが見あげる今年の春の景色は、どんな様子なのでしょう。
いつも通り、幸せな景色を見ていてくれると嬉しいです。
by bon_soir | 2013-04-16 04:46 | 金沢動物園 | Comments(0)
馬の子、それは素敵なお知らせ
4月4日生まれ、訪問した時が初めての公開の日だったようです。
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本当にまだまだ赤ちゃんの木曽馬の坊や。
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かわいいですね。
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あくびをしても、まだ歯も生えていません。
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お母さんの「幸泉」
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大きなお母さんです。坊やもどんどん大きくなるんでしょうか。


やっぱり歯がないです。
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本当の赤ちゃんです。

動物園での素敵なお知らせ。
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悲しいお知らせもあれば、こういった素敵なお知らせもあるのが動物園。

出会いばかり求めるのは人間のわがままですね。
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なぜかさみしい西園、そんな中での素敵なお知らせでした。



 
by bon_soir | 2013-04-12 15:06 | 上野動物園 | Comments(2)
フジとウメキチ、モモコの円山動物園
とうとう一人暮らしの準備が始まってしまったフジ。
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また少し時間が開いてしまいましたが、前回の続きになります。



「はじめまして、僕がお兄ちゃんの弟のフジです」
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季節外れの大雪で真っ白になった円山動物園、僕達と同じ黒いマレーグマが一人待っていたかのように立っていた。
僕にはわかる。僕やお母さんより大きなこのマレーグマがお兄ちゃんだ。
顔だって僕にそっくりだ。僕はお兄ちゃんにもう一度挨拶をした。

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「ウメキチ、ウメキチなんだね。すっかり大きくなったわね」
お母さんがお兄ちゃんに声をかける。お母さんの目には少し涙がたまっていた。

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「母ちゃん、本当に母ちゃんなんだね。母ちゃんで間違いないんだね。もしかしてその男の子は……」
お兄ちゃんはびっくりしている。円山動物園に突然降ったたくさんの雪、そして突然円山動物園にやってきた僕達、おどろくことばかりに違いない。

「そうよ、ウメキチ。この子はフジ。あなたの弟、あなたにそっくりなかわいい弟なんだよ」
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お母さんは本当に嬉しそうだ。ずっと離れて暮らしていたお兄ちゃんに会えたんだから。

「フジ、僕がウメキチ、君の兄ちゃんだ。飼育係さんのお話や、どこからか届く手紙で君のことは知っていた。まさかここで会えるとは思わなかったよ」
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「ウメキチお兄ちゃん、僕はお母さんにお兄ちゃんのことを聞いていたんだ。ずっと会いたかったんだ。ここまで来れて本当に嬉しい、お母さんと三人で会うことができて本当に嬉しいよ」

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そうだ、僕はずっと会いたかったお兄ちゃんに会うことができた。それもお母さんと一緒、三人で会うことができた。

「ところでここまではどうやって来たの?歩いて来たわけじゃないんだろ?」
お兄ちゃんが訊いてきた。
そうだ、あの時ハトさんが教えてくれた。どこへでも行ってくれるモノレールに乗ることが出来るってことを教えてくれたからこうして三人で会うことができたんだ。

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「モノレール、上野動物園のモノレールだよ。僕達のお庭にやって来るハトさんに教えてもらったんだ。フクロウさんがいる時に駅まで行けばどこへでも行きたい所に行ける切符をくれるって、そうハトさんに教えてもらったんだ」

「ウメキチ、フジはあなたにずっと会いたがっていたの。いつか歩いてでも北海道、ここ円山動物園まで行くってずっと言っていたのよ。でもモノレールで行けるなら私も一緒に行けるからって言ってね」
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「モノレール……思い出したよ、西園まで行くモノレールだ。でもこんなに遠くまで走れるなんて僕は知らなかった。凄いね。」

「そうなんだよ、モノレールは凄かったんだ。静かに走ってあっという間に北海道だったんだ」
そう言ったあと、僕は思い出した。運転手の猿がこんなにたくさんの雪まで降らせてくれたことを。
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「お兄ちゃん、この雪はそのモノレールの運転手、運転手の猿さんが降らせてくれたんだ。僕がいい子にしていたご褒美なんだって言っていたよ」
僕がそう説明していると、横でお母さんは静かに頷いている。本当にお母さんと一緒に来れて良かった。

「そうか、何から何まで不思議なことがあるんだね。とても不思議で、とても素敵なことが僕達の周りにはあるんだね。最近僕は思うんだ。動物園って本当にいい所なんだって。それは上野動物園も、ここ円山動物園も、そして他の動物園もきっと一緒なんだ」
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そう言って、お兄ちゃんはすっかり朝日が登っていた青空を眺めていた。無表情で無口だけど本当は優しい猿が運転するモノレールを探しているように、ゆっくりと青空を眺めていた。
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僕は思った。旅することって素敵なことなんだ。あの時思い切ってモノレールの駅まで行って本当に良かった。
旅に準備なんか必要ないんだ。思い立った時に出発すればいいだけなんだ。
僕は男のマレーグマだ。冒険できたら最高の気分なんだ。

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「そうだ、僕が円山動物園を案内するよ。せっかく二人で来てくれたんだ、色々な動物達を紹介するよ」
お兄ちゃんはそう言って僕とお母さんを連れて歩き出した。
後ろから見るお兄ちゃんは僕よりもずっと大きい。お父さんと一緒ぐらい大きかった。
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――ここがホッキョクグマ、赤ちゃんがいてとってもかわいい。
ここにはナマケグマ。不思議な“ゴマキさん”がいる――

お兄ちゃんは得意げに僕とお母さんに円山動物園を紹介してくれた。
お兄ちゃんはすっかり“円山動物園のマレーグマ”だ。

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ヒグマにオオカミ、オランウータンの家族。お兄ちゃんは次々と僕とお母さんに紹介してくれる。
円山動物園にもたくさんの動物達が暮らしている。

ペリカン達やカバさんやキリンさん、ライオンさんやダチョウさん。僕とお母さんは全員に挨拶をする。
「お兄ちゃんがお世話になっています。僕達は上野動物園から来たマレーグマです」

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僕達三人はなぜか飼育係さんやお客さんが誰もいない静かな動物園の中を歩いて行く。
聞こえてくるのは動物達の声だけだ。
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「ここが今の僕の家だよ、最近凄く綺麗になったんだ」
そう言ってお兄ちゃんはアジアゾーンって所に入って行く。僕とお母さんは後からついて入っていった。
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そこにはお兄ちゃんと暮らすマレーグマがいた。
なんでだろう、僕は緊張した。
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お母さんとキョウコおばさん以外の女の人に会うのは初めてだからなんだと思った。

お母さんが挨拶をした。
「いつもウメキチがお世話になっています。上野動物園から来ました、私が母のモモコです。そしてこの子がウメキチの弟のフジです」
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「はじめまして、こんにちは。僕がフジです」

ウッチーさんとハッピーさんはにっこりと微笑んだ。
「はじめまして、よく北海道までいらっしゃいました。ウメキチが来てからここはとてもにぎやかなんですよ。毎日がとても楽しくなりました」
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――お兄ちゃんは円山動物園でも人気者なんだ。上野動物園で暮らしていた時と変わらない、人気者のマレーグマだ。

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「フジ、最初は僕だって引越しするのは不安だったし、お母さんたちと離れるのはさみしかったよ。でもね、今こうして円山動物園で暮らすのはとても楽しいよ。きっとどこで暮らしても一緒なんだ、楽しいこと素敵なことは必ずそこにある」

お兄ちゃんは僕に教えてくれている。お兄ちゃんにはわかるんだ、同じ男のマレーグマだ。僕がそのうち上野動物園から引越しをしなければいけないことを。
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僕はお兄ちゃんを見て、ここ円山動物園を見て、今お兄ちゃんの話を聞いて少し勇気が出た。
この先お母さんと離れ、遠くで暮らすことになってもきっと大丈夫、周りにはとても不思議で、とても素敵なことが必ずあるだろう。
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きっと大丈夫。僕はお兄ちゃんのように上手くやっていけるだろう。
お兄ちゃんも僕もお母さんとお父さんの子供だ。上野動物園生まれの、とても幸せなマレーグマだ。


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外に出た僕達はあることに気がついた。
やっぱり飼育係さんもお客さんも誰もいない。それは怖いことじゃなかったけど、なぜかと考えると僕達にはわからない。

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「そうだ、フジ、僕と相撲をとってみないか?」
お兄ちゃんが急に言い出した。
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「いいよ、僕だって木登りをたくさんして、ご飯をたくさん食べて強くなったんだよ。簡単には負けないよ」

僕とお兄ちゃんは何度も何度も相撲をとった。お母さんは僕達を見て笑っていた。
やっぱりお兄ちゃんだ、僕は全然勝てない。悔しかったけど本当に楽しかった。お兄ちゃんに会いに来て本当に良かった。
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さっきまで楽しく笑っていたお母さんが、涙を流していた。
「お母さん、どうしたの?具合でも悪いの?」
僕がそう訊き、お兄ちゃんはお母さんを優しくさすっていた。
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「二人共、ありがとう。違うんだよ、お母さんはとっても嬉しかったんだよ」
そう言ってお母さんは涙を流しながら少し微笑んでいた。
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「ウメキチ、あなたが産まれた時私は本当に嬉しかった。 フジ、次にあなたが産まれてきてくれた時も同じぐらい嬉しかった。でもね、今この瞬間が一番嬉しい」
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「私の大好きな二人が一緒に並んでいる。兄弟二人で楽しくしている。お母さんにとってこんなに嬉しいことなんて他にあるわけがない。嬉しくて嬉しくて涙が止まらない」
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「ウメキチはすっかり一人前に見える、本当に立派になった。 フジ、あんなに小さかったフジもお母さんと変わらないくらい大きくなった。フジもきっとすぐにお引越しね。それはとてもさみしいけど、しかたのない事。ウメキチもフジも男の子、男のマレーグマ。大人になるために旅は必要なことだと思う」
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「そしてその旅の中で小さな冒険があればもっといい」

お母さんは僕とお兄ちゃんに小さな声でお話をしてくれる。やっぱりお母さんは優しくて、僕とお兄ちゃんはその優しさが嬉しかった。
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「ウメキチ、そしてフジ。遠く離れてしまったとしても心配はいらない。あなた達を忘れるなんて事は絶対に無いから。そして、お母さんはまたあなた達二人に会いに行ける。上野動物園のモノレールに乗って、きっと会いに行ける。一人前になった子供達に会うこと、それはお母さんにとってなにより嬉しいこと」
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「その時、あなた達にも子供ができていたらいいわね。そうすれば私はおばあちゃん、世界一幸せなおばあちゃん」



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着いたときは朝の光に照らされていた円山動物園に夜が来ようとしていた。
いつのまにか夕日が遠くに沈んで、かわりに月が輝き、その周りに星が光り出してきた。

そんな空を眺めていたら何かが降りてくるのが見えた。
上野動物園のモノレールだ。
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僕達三人の前に降りたモノレール。モノレールの中から運転手の猿が出てきた。
僕達はわかっている、楽しかったお兄ちゃんとの一日、円山動物園での一日は終わるんだ。

「お兄ちゃん、今日一日とても楽しかったよ。お兄ちゃんに会えて本当に良かった。今日はもう終わりかもしれないけど、またいつか三人で会える時が来るよ。それまでさようなら」
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「ウメキチ、会うことができて嬉しかった。本当に楽しかった。フジが言うようにきっとまた会える。上野動物園にはこのモノレールがある。とても静かでどこにでも行ける不思議な乗り物。上野の動物達みんなの大切なモノレール。どんなに離れていたとしても、モノレールがある限りまた会いに来れる」
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「フジ、そして母ちゃん。急に二人が来てびっくりしたよ。でも本当に嬉しかったんだ。僕はここにいるよ、円山動物園にずっといるよ。また会える時が来ることを信じてここで待っている。それでいいんだよね?」



「さあ、上野動物園に帰りましょう。また次の朝が来る前に帰りましょう」
運転手の猿は小さな声で言った。
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僕とお母さんを乗せたモノレールは静かに走りだした。
来た時と同じように星空に向かって上にのぼり、そして今度は上野動物園に向かって静かに走りだす。
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お母さんはまた星が輝く満月の夜空と、色々な色の光が光る地面を交互に見つめている。
少し違うのは北海道、円山動物園がある方角を少しだけ多く眺めているようだった。
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僕は来た時と違って、なぜだか眠くなって来ていた。
そんな僕に気がついた運転手の猿が僕に言った。
「今日一日は楽しかったですか?」

「うん、とても楽しかったよ。僕の初めての旅はとても素敵なものだった。この日のことは一生忘れないよ」
僕がそう答えると、運転手の猿がまた少しだけ大きな声で言った。
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「楽しかったんですね、それは良かった。だから今君は眠くなってきているんですよ。いいですか?今生きている一日を楽しく過ごす、それがどこであってもです。色々な物を見て、色々な音に耳を澄まします。色々なお話を色々な人とします。いい匂いを嗅ぎ、色々な物にたくさん触れるのです」
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「それが“夢を見るための準備”なんです」

「夢を見るための準備が出来ると私達動物全員、必ず眠くなります。そうしたら眠らなくてはいけません。それは神様との約束なんです」
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僕は眠ってしまっていた。
気がついた時にはお母さんが僕を起こしていた。
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上野動物園が見えてきていた。もう少しで到着だ。

「運転手さん、僕とお母さんは1日動物園をサボっちゃったね。飼育係さんは心配しただろうし、お客さんにも悪いことしちゃったな」
僕が運転手の猿にそう言うと、またじっと前を見つめながら少しだけ大きな声でこう言った。
「そのことなら心配はしなくても大丈夫です。今日一日、円山動物園に飼育係さんやお客さんはいましたか?」

「そういえば誰もいなかったよ、動物達しかいなかった」

「そうだと思います。モノレールで動物達を旅にお連れした日、君が心配したように飼育係さんやお客さんのことが誰でも気になってしまいます。それではせっかくの旅がつまらないものになってしまいますね。そういったことがないように、一日と一日の間のスキマに私がもう一日、そう、“動物達だけの特別な一日”を増やしておくんです。飼育係さん達やお客さん達にはその一日は気がつきません。これなら旅を楽しむことができますね。初めに説明しておけば良かったんですが、忘れてしまっていました。今回は雪を降らすことに頑張ってしまったからかもしれません」
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「そんな凄いことができたんだ。運転手さん、あなたは凄いんですね」

「そんなに凄いことじゃないんです、ただ不思議なことというものは、すぐそばにあるものなんです」
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「ところで、さっき君は素敵な夢を見ることができましたか?」


「うん、少し忘れてきちゃってるけど、とても楽しい夢を見たよ。大勢の動物達が出てくる夢だった。世界中をみんなで旅する夢だった。もちろんお兄ちゃんやお母さん、お父さんやキョウコおばさんも一緒だった」

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「そうですか、それは良かった。きちんと“夢を見るための準備”が出来ていたようですね」
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「着きました、上野動物園です」



「運転手さん、またいつかモノレールに乗せてください。そしてもし僕が上野動物園から引っ越してしまっても、お母さんのことをよろしく願います。本当に本当にありがとう」


僕とお母さんは行く時に見送ってくれたエミューさんに“ただいま”を言って、マレーグマ舎へと急いで帰った。
by bon_soir | 2013-04-10 05:22 | 上野動物園 | Comments(5)
1歳になったマメタ
多摩動物園のヤギのお庭で、いつでも草を食べながらトコトコ歩く小さなマメタ。
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小さな声で何度も呼んでやっと振り向いてくれたマメタは、赤ちゃんではなくすっかり男の子のまなざしでした。
「もうぼくは、こどもじゃないんだよ。ヤギの1さいはもうおとななんだ」
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かわいい名札に書かれた数字は、うまれた年月。マメタは先月1歳になりました。おめでとうマメタ。
風は強かったけれど、とても気持ちよく晴れ上がった日曜日。マメタの2回目の春は、どんなふうにやってきたのでしょう。
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「ミモザがいっぱい咲いたんだ。今年はちょっと咲くのが早かったんだって。スズランさんが教えてくれた」
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ぶかぶかすぎた黄色のベルトも、いまではむしろきつきつ。飼育員のおねえさんにひろげてもらえるかな。
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赤ちゃんヤギのマメタにあんなに悲しいできごとが待っていたとは想像もできなかったけれど
マメタはすくすくと育って、そしてとってもフリーダムに、動物園で生きることを楽しんでいるように見えます。
だからみんなも、たくさんの応援をしてくれるんだね、マメタ。



帰り際夕方のごはんどきの姿です。マメタはどのおしりかな。
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ダイおとうさんの、大きな鼻息攻撃にも負けずにいちばん近くに寄り付くいちばん右のおしりがマメタでした。
誰よりも食いしん坊で、誰よりもダイおとうさんのことが好きなマメタです。
1歳のマメタ、どんな大人ヤギになっていくのでしょう。みんな楽しみにしています。
by bon_soir | 2013-04-09 04:42 | 多摩動物公園 | Comments(4)
バニラがきいろの床を歩くとき
日にちが前後してしまいましたが……およそひと月まえのコアラのバニラのおはなしです。

床をとことこ歩きまわるバニラ。
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と思ったら、すぐにちょっと休憩。あいかわらずののんびりやさん、こんにちはバニラ。
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大人になったコアラの女の子は、ユーカリの木から下りてきてユーカリの森を歩きまわるときがあるそうです。
それは、お相手の男の子をさがすとき。
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バニラも大人になりました。もちろん、ここはバニラのおうち。ユーカリの森でもないし、残念だけど素敵な男の子もいません。
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でもバニラは長靴さんに出会いました。大好きな飼育員のおねえさんをいつも連れて来てくれる長靴さんです。
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飼育員さんはごはんをもってきてくれるだけじゃなくて、こうしてバニラの体のチェックをしてくれます。
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まだ赤ちゃんのころは、とっても小さくて、おねえさんに特別なお世話をたくさんしてもらっていたバニラ。
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大人になったなんて、まだちょっと信じられません。
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いつでもおなかのチェックは、ちょっとくすぐったい。
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ここから、木登りするつもりでしょうか。かわいいちいさな足に力が入ります。おねえさんも見守ります。
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うーん、うーん。なかなか登れなくて、仕方なく毛づくろいをはじめたバニラ。
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やっぱりまだまだ小さい甘えん坊なバニラ。このあと、ちゃんとおねえさんが木の上にのせてくれました。


3月26日にお誕生日を迎えて、2歳になったバニラ。
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ひとつのさやにたくさんの種がつくように、日本にたくさんのコアラがふえますように。バニラの名前の由来です。
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がんばってもう少し大きくなったら、いつかきっと素敵な男の子がバニラの前にあらわれることでしょう。
ウメちゃんの赤ちゃんもうまれて、バニラはおねえさんにもなったんだものね。


やっぱりテルおかあさんに似ています。
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なぜだかここでフリーズしてしまったバニラ。
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動かないと思ったら
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バニラのトイレタイムでした……ごめんねバニラ。
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葉っぱがかわいいです。

そして夕方にはこうしていつもの通り。丸太のテラスでのおやすみ。
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小さなバニラ、素敵な男の子にはまだ会えないけれど、ここ横浜でたくさんのお友達をつくって楽しく暮らしています。
みんなもバニラのお友達になってあげてくださいね。
by bon_soir | 2013-04-07 03:00 | 金沢動物園 | Comments(0)
閉園間際のテルちゃん
こんにちは、テルちゃん
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とても静かな閉園間際のコアラのおうち。相変わらずこの時間になるとひとりそろそろ動き出すテルちゃん。
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お客さんは私以外誰もいないけれど、とてもごきげん。
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丸まって眠っている娘のバニラを、身を乗り出して確認しているようにも見えました。
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閉園前に丸太のてっぺんで、みんな無事にいるかどうかと、おとなりのウメ親子や娘のバニラをそっと見守ります。
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そしてそろそろとテルちゃんはお散歩を始めます。これはテルちゃんの1日のおわりのおまじない。
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今日出会ったおいしいユーカリの葉っぱ、お客さんが持っていたかわいいものや楽しいことを思い出しながら。
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長い長い夜に、みんなが悪い夢を見ることなく、素敵な朝を迎えられますように。
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by bon_soir | 2013-04-05 04:00 | 金沢動物園 | Comments(2)