傍の顔と冬の星空
五月山動物園で暮らすウォンバット、フク
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毎日毎日少しずつ
冷えていく空気と増えていく星の数

「イチョウの葉っぱ、まだ散らないのかな」
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冬が来ること、来たことを感じだしてふと呟いたフク
でもただそれはただ、考えもなし深く思うこともなし
ただ呟いただけ
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あの日に見えた、思い描いた未来のこと
そのことがフクの頭の中、心の中にいつまでも残り
マルの顔をふと見るたびにそれはまた色濃く大きなっていく
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毎年この時期に気にしていたこと
イチョウの葉っぱの綺麗な黄色、青く高くなった空のことや軽く流れていく雲のこと
冷たいと感じだした水のことや、かなり減ってきた庭に生える草
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今までは毎日いつも眺め、考えていたこと
そんなこと全部、今はただ瞳に映るだけ
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思うこと、想うこと
起きている間、散歩している時間、ご飯を食べている間
そして夢の中までも
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マルの顔と思い描いた未来がフクの今、全部
隣で、傍で温かく
微笑む顔がただ、今のフクには全ての毎日
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向こう側で散歩を続けるマルを眺めふと思い呟いたフク
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「────今度はいつ、いつこのフェンスは開くんだろう」
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「なんだか恥ずかしいからさ、君に言ったことはないけれど、僕の頭はいっぱいなんだ。これ以上溜めておくことはもう無理、溢れ出してる」
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「あの時に見えてしまった幸せそうなあの未来、そこへ行くにはどうしたらいいのかって考え続けてさ、もう僕の頭の中はいっぱいなんだ」
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「傍で微笑む君の顔をずっと眺めてる、目が合うたびにまたいろんなことを考える」
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「馬鹿みたいだろ────もう僕は大人なのにさ」
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「馬鹿みたいだろ────本当にさ」
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「こんなに晴れた日の朝はさ、少し離れて散歩したっていいんだよ。君の可愛い顔に変な影がかかっちゃうからね」
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「これだけ明るいんだ。少し離れていたって君の顔はよく見える。だから少し離れていたっていいんだよ」
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「ごめん、嘘ついた。どんな時でも傍に居てくれたほうがいい」
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「可愛い顔を傍で見せてくれたほうが嬉しいよ」
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「やっぱり恥ずかしくってさ、こんなこと声には出来ないけどね────」
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「ワインさん、こんな時に僕はどうしたらいいんだい? こんな気持の時は何を考えればいいんだい?」
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「ワインさんとワンダーさんのようにさ、ずっとずっと幸せに暮していくにはどうすればいいんだい?」
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「僕の思い描いた未来はさ、ワインさんとワンダーさんの暮しそのものなんだよ」
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「ワインさん、僕もそこまでいけるかな────マルと二人、僕らは越えていけるかな」
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「わかってるよ。僕が思い描いた未来のこと、それは僕次第。わかってる、僕次第ってことなんだろうね」
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色々考えているうち陽は傾きゆっくりと、なんだか早く沈みだし
動物園は閉園を告げる声
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フクの傍に居たマルは日課のような道草おやつ
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「マル、そろそろ閉園の時間だよ」
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フクがそっと声をかけても楽しそうに駆け回り、お気に入りの道草おやつ
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「────あぁ、まただ。また見える。幸せな未来がさ」
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「マルの後ろをついてまわる小さな小さなウォンバット、君のことがまた見えてくるよ────」
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「はっきりと、ぼんやりと。僕の目には見えてくる。思い描いたあの未来────そう、見えてくる」
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「そこへ行くには、手にするにはどうすればいいんだろう────そのことでまた頭と心がいっぱいだ」
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「そしてそのまま、お部屋に戻る僕さ。そのうちマルも戻るだろう」
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「マル、夜になると冷えるね。冬だよ、もう、ね」
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────部屋に戻ってすぐに眠り、僕はいつものように夢を見た
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庭のガラスに映った僕の変な顔
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そしてすぐ傍となり、マルの顔と猫の声
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その猫達の声で僕はそっと目を覚ます
良くあること
また夢の中へ現実が滲んでいたらしい
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僕は部屋のドアをそっと開け庭へ出た
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真冬のような寒い夜
息は白く、ふとしたはずみに身体は震える
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ただそんなことが関係ないほどに素敵なことももちろんあった
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────見上げた夜空を埋め尽くすたくさんの星
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冬の星座が賑やかに踊りだす
見たことがない星空が冷えた身体を心の中から温める

そんな夜の空気のように僕の気持ち、もやもやとしていた僕の気持ちは透き通っていったんだ────
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───続く





       

by bon_soir | 2017-11-12 15:56 | 五月山動物園 | Comments(4)
Commented by ファルーク・D・マーキュリー at 2017-11-14 16:24 x
恋するフクちゃんに キュンとしちゃいました。
(心の中では、がんばれ!がんばれ!フクちゃん!!ってバナー振りかざしてお応援して応援してるよー‼️)
でも、フクちゃんって…こんなに紳士的でしたっけ???
最近、ちっちゃな可愛い3人が来てくれたから…優しいお兄ちゃんになろうと無理してたりしてないでしょうか?
だんだん大人になっていくフクちゃんに 嬉しかったり…誇らしかったり…とても安心したり…
その反面、子どもっぽいままいて欲しい気持ちにもなったり…
でもフクちゃんは、私が思ってるより、ずっとずっと賢くて、いい子ですもの!
私が、どんどん成長していくフクちゃんに ついていけてないだけですね。
ただ、離れたところから、勝手に応援しているだけのくせに…毎回、心配性な目線の私を
いつも 取り越し苦労と気づかせてくれるフクちゃん!
本当は、信頼して安心してますよー!
どんなに大きくなっても まんまるフクちゃんは、小さい頃より、ますます魅力的で可愛いくなって来るから
この先、どんなウォンバット男子になってくれるのか…楽しみです!

そして…このお話の続きも、楽しみに待ってますので、よろしくお願いします‼️
Commented by パイン at 2017-11-14 18:43 x
しむらさん、こんばんは^^

何度みても何度読んでも、すごくすごく素敵なお話と写真です(*^^*) かわいいアップです。
あ~~フクちゃんの恋する気もちが素敵すぎて、まぶしすぎて。 
マルちゃんは、気づいてくれているのかな~?^^
フクちゃんみんな大好きですよね。みんな応援してくれていると思います。
そして、マルちゃんがフクちゃんのそばでにっこりほほ笑んでくれたなら~。 
もういうことなしなんですけどね。
このあいだフクちゃんをみて、やっぱり大人になったんだな~と実感しました。 でも、やっぱりフクちゃんらしいところは同じで、かわいいんですよね。

お話のつづき、楽しみにしています!(*^^*)
それから、寒くなってきました。
撮影時、風邪ひかれないようにしてくださいね。
Commented by bon_soir at 2017-11-15 07:24
ファルーク・D・マーキュリーさん、コメントありがとうございます。
私にはこんな感じのお話はとても難しく、どうしたらいいのかわからなくなったりもしていますが、ついつい考えてしまいます。
「歩いてました」「食べてました」「寝てました」みたいなキャプションつけても自分が面白くないのでウォンバットの写真を眺めて色々考えるようにしています。
フクちゃんは大人になりましたね。
眼差しなんかはむかしと変わらないのですが、身体は本当に大きく、と思います。
この後のお話にしようと考えていますが、気負うことなく自然に傍で暮らしていれば、自然といい方向に向かうと思います。
見守る側としてはやっぱりそわそわしちゃいますけどね。
自分自身にも言い聞かせるように、自然に自然にとお話は進めたいと考えています。

Commented by bon_soir at 2017-11-15 07:39
パインさん、コメントありがとうございます。
ワインやフクちゃんの印象はやっぱり強く、
五月山動物園といえばって感じで、誰もが大好きなウォンバットだと思います、
これからみんな、どうなっていくんでしょうね。
そんな風に考えることが出来ること自体、本当に楽しく幸せなんですよね。
マルもフクのことをいい感じで気にしていますし、そっと応援したいと思います。
お話はなかなか難しい方向なんですが、思いつくままに進めていきたいと思います。
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