ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
秋空、軽く高く
でもこの日は重く低く
雨降るか、降らないのかどうなるか
朝
いつもの場所
お昼寝ジャンブイ
目は覚めている
横になってるだけなのか
少し寝ぼけてふわっとしているときなのか
おはよう
おはようジャンブイ
空、晴れる気配なし
今日の天気はこんなふう
思い雲、低い空、吹く風重く、梅雨のそれ
青い空がいい
軽く高い雲がいい
身体くすぐる風がいい
色々考えながら夢の中
短いけれど素敵な夢が待っててくれる、朝のうとうと
お昼頃
いつもどおりのおやつの気配
待ち始めるのは少し早い
時間はあるよと思うけど、待つのもきっと楽しいジャンブイ
「サバはあるかな?」
きっとあるよ、サバあるよ
「サバはあるかな?」
きっとあるよ、サバあるよ
なかなか時間にならない気がする時
楽しいことを待っている時
そわそわそわそわ
大人だってそわそわそわそわ
ついつい、うろうろ
つい、うろうろ
同じように座ったら
あくび出た
今日のプールの色は空と同じ、ちょっと暗い灰色で
アメンボ一人、つつっと滑る
おやつ、まだかな
窓の向こうにいるのはツヨシ
ジャンブイ、かわいい女の子の顔を見る
好きだから
飼育係さんの気配
美味しいおやつの匂い
少し急ぐ
見上げた先のおやつ
サバから投げられた
ジャンブイなりに急ぐ
あわてない
雪、積もるかもしれないね
青空からは雪降らない
白い空から白い雪
雪降るときは何もかもが白くなる
水の中は水色で、世界の色はくるくる変わる
秋の色ってどんな色
紅葉する木が庭にければ少し迷う
時々暑い日残るのは、夏がまだ少し残っているから
季節の滲みがなかなかとれていかないだけだから
またゆっくりした時間が流れる
あっという間
寂しいけれどあっという間
楽しいことも寂しいことも全部突然やって来て
あっという間に終わってしまう
後は心に残るだけ
またやって来る
楽しいことはやって来る、幸せ感じる瞬間がまたすぐにやって来る
だからきっと大丈夫
すぐに雪、降るかもしれないね
すぐに雪、積もるかもしれないね
見上げた空は曇り空
ときおり雨が少しだけ落ちてくる
こんなお天気の日だから動物園はやっぱり静か
眠ろう
今日の雲は形がわからなくてつまらない
空一面、覆って動いているのかわからない
夏を過ごしたあの場所へ
苦手な夏を過ごした場所
夏の名残
丁寧に
丁寧に寝床の形を整えて
素敵な夢が見られるように
願いをこめてそっと整えて
これで良しとちょっと納得
そっと入る夢の中
今日の夢はどんな夢
ジャンブイ見る夢どんな夢
動物見る夢どんな夢