ズーラシアで暮らすホッキョクグマ、ジャンブイ
水に浸かり休む浅瀬
ゆっくり夏を越えていく
越えて向こう側、秋が見えてきそうな、そんな曇りの日
なにかそっと呟いた
あたりは少し騒々しい
でもジャンブイはとても静か
ジャンブイの周りはとても静か
秋の足音
それも静か
何を乗せて夏は行く
何を乗せて秋は来る
静かに静かに、地球が動く
傾く地軸で季節が変わる
穏やかにジャンブイ
あの激しい春は嘘のよう
ツヨシを精一杯追いかけたあの春は、いつのまにか裏側、秋へと変わりそう
強い陽射しの代わりにたくさんの雨
今年の夏はもしかすると静かな駆け足
このまま通り過ぎてしまいそう
水に浸かり休む浅瀬
真っ白黙る曇り空
大きな大きなホッキョクグマ
みんな静か
とても静か
人が少ないわけじゃない
でもなんだか静かな動物園
秋の足音、静かな足音
ジャンブイ歩く
静かな足音
今日も曇るか明日も雨か
そんな8月続いてる
ジャンブイ探すメッセージ
ツヨシが残した夏の優しいメッセージ
トンボを見たよと二人で話す
小さな声で優しく楽しく二人は話す
「また雪は降るのかな?」
「気が早いよ」
二人は笑う夏の終わり
ゆっくり夏を越えていく
越えて向こう側、秋が見えてきそうな、そんな曇りの日
何を乗せて夏は行く
何を乗せて秋は来る
ゆっくり夏を越えていく
越えて向こう側、秋が見えてきそうな、そんな曇りの日